第39話! ページ45
直也さんは、なんだか先生に呼び出された。
よく分からないんだけど、なんか勉強の事で呼び出されて、先生のところに行った。
涙目で訴えかけてきたからなんとか助けたかったけど、なんとも出来なかった。
連れて行かれ際に「先帰っててください!」と大声で言われた。
だけど、さすがに先に私だけ帰ってしまうのは申し訳ないと、正門で30分くらい待っていた。
だけど、いくら待っても全然来ないので、お言葉に甘えて帰る事にした。
だけど、帰ってもなにもする事がない。
ファミコンだって1人じゃ操作もままならないし、そもそもゲームは全くわからない。
機械はいけるんだけど。
あ、そうだ。
駅の中に美味しいプリンが売ってるって、なんかの雑誌で読んだことがある。
何日もお世話になってるし、さすがにこの位のお礼をしないと気が済まない。
私は駅に繋がる長い階段を降りて、駅の中に向かった。
『わぁ...』
思わず声が出てしまうほど美味しそうだった。
プリンの上には生クリームが乗っていて、見るからに美味しそうなプリンだ。
いや、訂正。
これは絶対に美味しい、と、私の脳みそが言っている。
値段はそこそこだけど、出ていく時に金庫からお金を少しだけ持ってきたので、全然買える。
これをふたつ買えば、お礼になるだろう。
『すいません、これふたつください。』
高校生の私なら、もっと元気に言っているんだけど、仮にも私は大学4年生だ。
それに、もう少ししたら教員試験があるんだから、そろそろ大人にならないといけない。
と言っても、半年以上も先だから、まだもうちょっと子供の気分を味わっておきたい。
「お姉さん、彼氏と?」
『え?』
「いや、なんかそんな感じがしてね。」
店番らしきおばさんが、ニコニコして話しかけてくるけど、ぶっちゃけ違う。
違う、と言っていいのか分からないけど。
『...彼氏じゃありません、凄く私の事を大切にしてくれる方へのお礼のプリンです。』
私がおばさんよりもにこやかにそう言うと、おばさんは余計にニコニコして
「いいねぇ、若いのに偉いねぇ。あんたは将来いいお嫁さんになるよ。」
と、言われた。
正直、それも危ういです。
とも言えず、私はおばさんにお辞儀をして、また駅の階段を上った。
直也さん、甘い物大丈夫かな。気に入ってくれるかな。
そう思いながら階段を上っていると
『あっ...』
目の前の景色に、階段から落ちそうになってしまった。
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