喧嘩ができないスケバンちゃん。５！【今日から俺は！】

第１１話！ ページ13

その後、新聞やテレビで大きく話題になったニュースがある。

内容は


【広瀬一誠、柔道界を引退。】


という題名だった。

引退理由は、とある学生が広瀬一誠が起こした事件を週刊誌にリークしたからだという。

暴力事件や殺人未遂の関与など、法律上だと、結構な罪だった。

このニュースは連日取り上げられ、広瀬さんは完全に悪者のような扱いを受けた。

それをリークしたのは開久高校の頭とNo.2という噂があるが、それは単なる噂らしい。


だけど、私は真実を知っている。

リークしたのに関与したのは、私と

相良「おい、まだ腹痛てぇか？」

この人と

片桐「すぐに痛みが引くわけねぇだろ。」

この人だ。

私達は、悪くいえば1人の人生を大きく左右させてしまった重罪人で

よく言えば、自分の正義をふりかざした勇者のような人物とも言えるだろう。

『...私の怪我治ったら、みんなでどっか行きましょうか。』

相良「こいつはいいだろ。」

片桐「それどういう意味だ。ここまで協力させといて今更、てめえなぁ。」

この人達はやっぱり仲が良くて、見ていてなんだか微笑ましくなってしまう。

その感情が溢れ出して、ふふっと笑ってしまった。


相良「なに笑ってんだ。」
片桐「なに笑ってんだ。」


2人が同時に言ってしまった時、なんだか私は幸せな気分になった。

この人たち、最初の印象は最悪だったけど

相良「お前、最初の水族館デートだって着いてきやがって。」

今の彼氏と

片桐「それは俺を誘った鳴滝に言えよ、俺のせいじゃねぇ。」

ツッパリの中で一番仲がいい人。

になっているんだから、人生どう変化するか分からないもんだ。


相良「いや、お前空気を読んで来んな。」

片桐「お前、俺がお前と鳴滝の問題を解決してやったって言っても過言じゃねぇんだぞ。」

相良「それは違ぇだろ、勝手にAがお前の家に転がり込んだんだろうが。」

片桐「別にいいだろうがよ、恋愛感情なんてクソみたいなもんねぇんだしよ。」

相良「お前、自分の顔見て言えよ。某アイドルグループにいても違和感ねぇからな。」

片桐「褒めてんのかよ、貶してんのかよ。」

相良「褒めてんだよ。」

片桐「褒めてんのかよ。」


やっぱり、この人たちに対する感情の変化だろうか。

見た目が怖いはずのこの人達が、すごく暖かい人に見えてきてしまう。

『ふふ。』


相良「だからなに笑ってんだよ。」
片桐「だからなに笑ってんだよ。」



こうして、大事件は平和に幕を閉じた。

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