第8話! ページ10
白原「はい、タイムアーップ!あいつらは4時間以内にこの可愛らしい3人を見つけられなかったので...
約束通り、Aちゃんを冷凍トラックの中に閉じ込めまーす!」
司会者のようにそう言って、白原くんの拍手の音が響いた。
こちとら嬉しくない。
というか、京子さん達は本当にあれ...眠っているだけ、だよな。
そう思っていると、白原くんが繋がれているロープを解いて、私の髪を引っ張った。
白原「恨むなら俺じゃなくて、三橋と伊藤を恨んでね。見つけられなかったあいつらが悪いんだ。」
そう言ってトラックの外に私を出す。
その時、私は咳き込んでしまって、口の中に溜まっていた血を床に吐き出してしまった。
冷凍トラックは、私達がいたトラックの隣にピッタリとくっ付けていた。
外を急いで見渡すと、大きな湖が見えた。
こんな湖、千葉にあったんだ。
そんな事をボーッとする頭で考えていると、急に寒気が襲ってきた。
冷凍トラックの扉が開いたのだ。
白原「さてさて、この冷凍トラックの温度は−60℃。寝たら死ぬからねー。」
そう言って冷凍トラックの中に私を乱暴に放り込んだ。
『ま、待って...。』
白原「じゃあ、また来世でね。」
そう言って白原くんは、私にひらひらと手を振って、冷凍トラックの扉を閉めてしまった。
冷凍トラックの中は、我慢できないほどの寒さで、今にも凍え死にそうだ。
−60℃って言われても、正直実感が湧かなかったけど、こういう事だったんだ。
さっき掛けられたオレンジジュースも相まって、余計に寒かった。
三橋さん達、探してくれているのだろうか。
私はともかく、京子さんと理子さんだけでいいから助けてあげてほしかった。
...ここから大声で叫んだら、誰かに聞こえないだろうか。
そんな浅はかな考えで、私は今できるくらいの大声で叫んだ。
『誰かー!』
ただ、叫んでもトラックの中に響くだけで、外に声が聞こえてるとも考えられなかった。
というか、外の音がほとんど聞こえないんだからこの中の音も聞こえないか。
『...凍死』
その現実が受け止めきれなくて、ぽつりと呟いた。
どうせ死ぬなら花畑の中で横になって、絵画のように...とか綺麗な死に方が良かった。
なんで、凍死なんだろう。
考えても無駄な事を考えていると、急に眠気が襲ってきた。
「寝たら死ぬ。」
とりあえず長く生きたいと、私は体力が限界の中冷凍トラックの中で暇を潰せる事を探した。
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花火2016(プロフ) - dmeenioさん» ありがとうございます!これからは夢主ちゃんもガンガン攻めていきますので、お楽しみに^^* (2018年11月24日 18時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - ゆうさん» はじめまして^^続編希望ありがとうございます!無理しないように頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年11月24日 18時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - てんてんママさん» ありがとうございます!相良くんのお相手変更はなくしていきたいんですけどねぇ...、どうなるかお楽しみに^^* (2018年11月24日 17時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - yuiさん» ありがとうございます!そう言っていただけるとやる気が出ます!続編でもよろしくお願いします! (2018年11月24日 17時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
dmeenio(プロフ) - 続編めちゃくちゃ楽しみです!!!!受け身だけで終わらないスケバンちゃん楽しみです!!!!相良くんとお幸せに(^^) (2018年11月24日 15時) (レス) id: a60411acd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花火2016 | 作成日時:2018年11月16日 22時