喧嘩ができないスケバンちゃん。４！【今日から俺は！】

第１２話！ ページ14

相良くんは走って私の家まで送ってくれた。

相良「ほら、着いたぞ。」

『急に走り出すの辞めて...。』

実はめっちゃ酔いやすいのだ。

横揺れはいけるのに縦揺れがいちばん駄目なのだ。

ジェットコースターは平気なのにメリーゴーランドは駄目という特殊なケースだった。

本当に、あのメリーゴーランドの白馬だけは動物界の中でも苦手なタイプで宿敵なのだ。

私がそんな事を考えて気分を悪くしていると、猛くんが優しく抱き締めてくれた。


相良「...無事で本当によかった。」


そう言って、私が羽織っていた制服を取って猛くんは小走りで言ってしまった。

私はその背中に、小さな声で「ありがとう。」としか言えなかった。

猛くんの背中が見えなくなり、私は家の中に入る事にした。


『ただいまー。』

私が玄関でそう言うと、階段を駆け下りる音が聞こえてきた。

なんだか嫌な予感がする。

お父さん「Aー！遅かったじゃないかー！おかえりー！」

そう言ってお父さんは力加減などお構い無しに私の事を思い切り抱き締めてきた。

久々の登場だからテンション上がっているのか。

はたまた単純に私が遅かったから心配が募りに募っていたのか。

どっちだか分からないけど、とりあえず苦しいので離していただきたい。

『うん、ただいま。どうしたの、そんなにテンション上がって。』

お父さん「あのな！


母さんに好きな人が出来たみたいだ！」


『へぇー、あのお母さんに好きな人が...

ってなる訳ないよね、どういう事か詳しく説明してくれないかな。』

最近見始めた方に一応言っておくと、私の父はアホなのだ。

アホで自分が天然という事に気が付いていない真の天然なのだ。


お父さん「あのな、お父さんが家に帰ってきたら机の上に離婚届が置いてあってな？その離婚届の上に、こんなメモが置いてあったんだよー！」

そう言ってニコニコしながら見せてきたメモの内容は...。


「他に好きな男が出来たので別れてください。」


なんてクズな母親なんだ。

お父さん「って事で、これからはお父さんと2人暮らしに戻るから、相良くん連れてきても大丈夫だぞ！お父さん出張多いから！」

そして、この人は無駄にメンタルが強い。

メモを見ていないのか、はたまたメモの内容を完全に理解した上でこのテンションなのか。

どちらにせよメンタルが強く、天然なのは間違いないだろう。


誘拐事件の幕が閉じたかと思ったら、

また、新しい問題の幕開けだった。

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