第３６話！ ページ38
朝の支度をしていると、家の電話が鳴り始めた。
多分お父さんだろう。
『はい、鳴滝です。』
お父さん「もしもしー？Aー？」
『はいはい、どうしたの。』
お父さん「お父さん達、夕方には帰るからな。ごめんなー、家留守にしてて。」
まぁ、留守っていうか同棲っぽい事してたから逆にありがたかったけど。
...帰ってくるのか、そっか。
猛さんの寝顔も、髪とかすのも、ご飯食べるのも、もうこれで終わりなんだ。
お父さん「A？」
『...分かった、気を付けてね。』
それだけ言って、電話を切った。
こんな事言うのは酷いかもしれないけど、本当はもっと猛さんと一緒にいたかった。
相良「お父さん達、帰ってくるって？」
『...はい、帰ってくるみたいです。』
相良「...そうか。」
猛さんはそれだけ言って、朝の支度に戻ってしまった。
少しだけ残念そうな顔を見せたのを、見逃さなかった。
その顔を見て、私も悲しくなってしまった。
だけど、仕方ない事なんだ。
と、その感情を押し殺して朝の支度に戻った。
相良「A。」
猛さんは私の名前を呼んだ。
『なんですか？』
振り返ってそう聞くと、猛さんは私の目線に合わせて少ししゃがんだ。
相良「本当は俺の家にも呼びたいんだけどよ、呼べるまで、時間かかるから少し我慢してくれ。」
そう言って猛さんは私の頬を優しく撫でた。
そして顔を赤くして顔を背けてしまった。
言えないけど、可愛い。
...今ならいけるかもしれない。
私は猛さんに抱き着いた。
相良「は？」
『...また、お家にお誘いしてもいいですか？』
私がそう聞くと、猛さんは私の頭を撫でて
相良「絶対だぞ。」
そう言って笑い、猛さんは私の頬にキスをしてきた。
キスも、今回で少しばかり慣れてきただろうに、今のキスは少し特別な感じがした。
結構恥ずかしかった。
相良「じゃあ、学校遅れるから行くぞ。」
『は、はい。』
そして、猛さんと私は家を出た。
家を出たらこの短かったお泊まり会は終わりなのに、少し気持ちは清々しかった。
相良「学校まで送っていってやるよ。」
『え、でも猛さんが遅れちゃいますよ。』
私が心配してそう言うと、猛さんは「言わせんな。」とだけ言って、私の手を握ってきた。
その手は、すごく暖かくて、私を安心させた。
相良「なにニヤけてんだよ。」
『別にニヤけてないです。』
そんな幸せな雰囲気に包まれて歩くいつもの商店街が、少し綺麗で、特別なものに見えた。
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みりん - 主人公が喧嘩出来るところ見てみたいです！ (2019年4月14日 21時) (
レス) id: f06c8b23ec (このIDを非表示/違反報告)
らなのMonO(プロフ) - 32話にきゅん死しました。一人でにやけてたら家族に気持ち悪いと言われました。でも気にしない！相良様がいるから！w (2018年12月31日 22時) (レス) id: dce8680b38 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - モカさん» ありがとうございます！続編もちゃんと出すので、モカさんも応援よろしくお願いします！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - もーめっちゃ面白いぃぃ！！これからも頑張って下さいね(^^) (2018年11月11日 0時) (レス) id: 9ae6381993 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - 浅葱さん» 初コメありがとうございます！相良さんのライバルが人気ですね...。その線が深まってきたのでお楽しみに^^* (2018年11月10日 20時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花火2016
| 作成日時：2018年11月4日 16時
