小さい本科さま (ページ7)

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6cm ページ7

しゃく、しゃく

食べかけのまままわるわけにもいかないから縁側でとうもろこしをしょくす

「おいしいな本科」

『そうだね……きみがおれをひざにのせてなければもっとおいしかったかな…！！！』

ほんとうにね…！！

俺よりもきんにくがあってかたい膝にすわってもうれしくないんだよ！！！！とくに写しくんのひざのうえにはね！！！！

おこりながらとうもろこしを口にはこぶ

「(誉桜舞ってるの分かっていないんだな…俺の本科可愛い…)」

やけに写しくんのめせんがなまあたたかいのははらたつから蹴ったがれんどさのせいで痛くもかゆくもなさそうにしている

くそっ！！はらたつ！！！生意気にそだちやがって！！！

「おや、国広じゃないか」

「大般若…今日は馬当番だったはずだろ？サボりか？」

「やだなぁ、サボりじゃないさ。先日ちょっとしたことで迷惑かけたからってお父様が当番変わってもらっただけさ」

「あぁ…」

どっこいしょ、なんて言いながら俺と写しくんのとなりにすわるのは『大般若長光』

かれはもものひもで結われた髪をゆらしながらおれのかおをみて小さくわらった

「さて、随分と可愛らしい姿で顕現したね？山姥切くん」

『…………かわいらしいというのはやめてください、だいはんにゃどの』

「なんだ硬っ苦しいね、同じ長船派なんだから気軽にお兄ちゃんって呼んでもいいんだよ？」

『しつれいですがおれにとうははくわしくさだめられてませんよ』

かれは『長船派』で俺は『備前長船派』

しかしとうちょうには刀派など書かれていないかたなだ

「いいだろ？別に長船派でも。ほら、お兄ちゃんって」

『……おじさま』

「お兄ちゃん」

『…………おにい、さま…』

「うん、なんだい可愛い山姥切」

きれながの赤い目をほそめ俺のなまえをよぶ

あぁ、これなら政府でよくきいた「長船派はホスト」ということがよく分かる

「大般若、可愛いのは認めるが本科は俺のだぞ」

『うるさいよ写しくん』

だれがかわいいんだ、おれはうつくしいんだよ

俺のしんじょうをさとったのかおにいさまは笑いながら俺のほほをつついてきた

「そうだな、山姥切はかっこいいな。お父様にそっくりだ」

『！ま、まぁそににてるなら"ゆう"かな！』

長船派の祖ににてるなんていわれてよろこばないおれはいないからね！！