279.柱裏クエッション ページ29
『…心臓に悪いことしないでください』
まだ痛いくらいに早鐘を打つので少し息苦しいくらいだ
少し身構えるがここで騒いだらそれこそ報酬もなかった話にされる
ここは変に意識せずに過ごそうと浅く息をはいて切り替えた
ジェイド「貴方に、これを」
『？』
ジェイド「手を出して頂けますか？」
音もなく突然現れたと思えば今度は畏まって何だろう
手のひらを差し出すと、彼は両手で私の手を包んだ
『？、あの』
手のひらに重ねた手がゆっくりと離れると、指の隙間から朱色のリボンがするりと溢れた
『…これ…』
間違いない、先生にもらったあのリボンだ
髪を切ってしまったあの日、髪燃やして感情ぶちまけた後サバナで泣き散らかし
リボンが手元にないことに気づいたのは翌朝だった
一夜明けただけなら探せばあるのではと昼休みに茂みを這うように草の根分けて探したのだが見つからなかった
髪と一緒にお焚き出しした気がして、髪の方を可哀想に思ったのか先生に追及されることもなく
掃除中も一人沈んでいたら本人から「そろそろ鬱陶しい」とバッサリ切られたので口に出すのはやめた
けど鏡の前の最後の仕上げはリボンを結ぶこと、その最後がなくなったことに毎朝落ち込み寮を出てを繰り返した
『…ありがとうございます。ジェイドさん』
ジェイド「どういたしまして」
『…あの知ってると思いますけど、対価はないですよ…？』
ジェイド「対価として頂けるのなら、お聞きしたいことがあるのですが」
『？、まぁ、それなら』
ジェイド「あの日、僕が触れた途端なぜ髪を燃やしたのかを答えて頂けますか？」
『……はい？』
リボンのことがショックで髪のことはまだしも、なぜ燃やしたかなんてとっくに忘れていた
今しがた記憶の倉庫から運び出したわけだが中身ロクでもないから倉庫戻していいかな
なんならこの記憶を燃やしたいとも思う
いや、正直あの時は思考判断能力が著しく低下していた
ー悪戯をされたくなければ気をつけることだなー
肝に命じたと言うか、思い出したはいいけど対処まで頭が回らなかったと言うか
いや今考えてみればだ、私の髪をどうしたところで別に惚れ薬も何も作れなくないか
(…いや早とちりの愚行を説明するの普通にはっず…)
『……んー、と…
…あ…？』
彼は手袋を取り、私の髪を一房すくうと口元に寄せてキスを落とした
？、？
情報処理が追いつかないぞ、なんだ、今はなんのお時間だ
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ひめ(プロフ) - ア〜ツイステの最推しがユウくんになってまう…アッこのユウくんはあくまで二次創作だﾋｪ…って情緒が死んでますなんて罪な小説、、、 (2022年12月9日 0時) (
レス) @page17 id: 66ec0b2577 (このIDを非表示/違反報告)
おうお - はじめまして、、！以前から拝見させてもらっています。とっても好きな小説です！少し気になる事があるのですが、これはジェイド落ちですか？もし書いてあったらすみません、、 (2021年10月12日 13時) (レス) @page32 id: 7273c0d811 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - こんにちは、！ツイステトリップの解釈が一致しすぎてて最高に分かりみが深い作品です…！人間関係の築き方とかが流石に独特でめちゃくちゃ面白いです！続き楽しみにしてます(^^) (2020年8月2日 16時) (レス) id: 01d823492e (このIDを非表示/違反報告)
。 - kiwaさん» わああああ嬉しいです…！！こちらこそ、どうか末永くよろしくお願いします！(プロポーズか？)これからも素敵な作品が読めるのを楽しみに待ってます(*´ω｀*) (2020年7月21日 8時) (レス) id: 496c317554 (このIDを非表示/違反報告)
kiwa(プロフ) - 。さん» コメントありがとうございます(●´▽`●)私なんかなんて仰らないでください！私自身私なんかの作品をこんなに応援してくださってと嬉しい気持ちでいっぱいです！言葉にしてくださって感謝しかありません！これからもよろしくお願いします^^ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 5aec69db40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiwa | 作成日時：2020年6月10日 0時
