【ツイステ】でかけよ、オンボロ寮(仮)

209.危機一髪ビーインタイム ページ9

その時のことはあまり覚えていない
気づいたら床を蹴っていて、体が宙に浮いていたと思う
無我夢中で、飛んだことに気づいた時に少しだけ後悔をした

無鉄砲に降りたはいいが下はコンクリート
ジャックに風魔法の受け身を教わっておいて本当に良かった


そのまま地面を蹴り、走って滑りこむような形でユウくんに覆い被さった



ユウ「…Aさ」

『ユウくん怪我！！！』

ユウ「け、が？」



『して、ない…？


…良かったぁ』


両手を彼の頰に添え、ユウくんの顔を見た
次に視線を落としてどこかに怪我がないか慎重に目を凝らすがどうやら無事みたいだ
安心した途端に力が抜けてぺたんと腿の裏を地面につける


生徒1「あっれ、編入生ちゃんじゃん。この前はお世話になったね〜」

生徒3「丁度いいじゃん。ねー、君たち！先輩達が遊んであげよっか！」




(…やば)



後先考えないのは私の悪い癖だ
敵に背を見せるな、を完全に無視している状態になった

そして、この顔ぶれには覚えがある
先週くらいに食堂で絡まれた上級生ではなかっただろうか


この距離だ、私が鞭を出すか、向こうの握られているペンか
どちらが早いかなどたかが知れてる



(……手、いや、脚だな。脚ならなんとか…)




この状況をどう切り抜けるか、隙を作るためにはどうしたらいいかと攻略策を
出すために頭の中を巡らせていた時だった






生徒3「ぐあｯ!!?」





土埃と共に、先ほどまで後ろに立っていたうちの一人が顔から地面に勢いよく倒れ込んだ





フロイド「楽しそうなことしてんねぇ、オレらとも遊んでよ」



生徒1「は…！？」

生徒2「な、なんでオクタヴィネルのやつが」




フロイド「うっせぇな、できるもんならやってみろって言ってんのわかんねぇの？」



恐る恐る振り返ると、マジカルペンが足元に転がっていて持ち主はなぜか両足が浮いている
191cmの長身が狂気的な笑みを浮かべながら先ほどまで威勢の良かった生徒を片手で持ち上げているのだ
あり得ないことが重ねに重なって正直目の前に広がる光景を受け入れたくはないのだが、
これは紛れもない事実だ



フロイド「あはぁ、生きてるぅ？クマノミちゃん♡」


『…ひぇ』

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