【ツイステ】おいだせ、おんぼろ寮(仮)

158.気まぐれなマーメイド ページ8

ふにふにと頰を指で押していて、私はなんだと首を傾げた


ジェイド「陸の方は体温が高いですよね、火傷してしまいそうです」

『そんなまた大袈裟な』

ジェイド「冗談ではありませんよ。魚は人肌で熱傷するのをご存知ですか？」

『え』


…それは人魚も当てはまるのだろうか

私の体温で、火傷。

その言葉にゾッと怖くなり触れた手を払おうとするとその手を掴まれる


ジェイド「僕は人魚ですよ、関係ありません」

『…驚かせないでください』

ジェイド「フフ、けど本来の姿の時はわかりませんね。今は人間ですから」



『…ねぇ、ジェイドさん


もう一つ、お願い言ってみても良いですか？』



ジェイド「なんでしょう」




『私、





貴方の人魚の姿、見てみたいです』






一度だけ、ユウくんから聞いた話
海での双子はとにかく大きくて圧倒されたと言っていたけれど
その姿を一度はお目にかかりたいと密かに思っていた

けれど関わる機会はないとその時限りの望みだったのだ
画面では見たことはあるが「見ることができたら」とそうお願いをしてみた



ジェイド「…



少し、考えさせてください」



『…え？

あ、はい』


てっきり「いいですよ」くらいに返されると思っていたので
少し驚いた
私の言葉を聞いた時の彼の目が少し揺らいで、返答を少し躊躇っていたかのように思えた


(……うーむ)


なら悪いことを聞いてしまった
ユウくんたちの前では何度も姿を見せたであろうに
しかし表情が曇ったのでそれ以上は何も聞けそうにない


ジェイド「Aさん。明日の放課後、最後のお時間を頂けませんか」

『放課後ですか？』

話変えられてしまった
きっとこれ以上その話題を展開させないためだろう
私も空気を変えたい気持ちから話に応じる

ジェイド「はい。ぜひラウンジでお礼をさせて下さい
甘いものはお好きですよね？」

『…まぁ、正直オクタヴィネルは行きたくないんですけど
…明日の夜でも大丈夫ですか？
正直明日授業受けるのも今億劫なんで』

あと可能であるのなら貴方の片割れとオーナーには会いたくない
それくらいは言わずもがな察していただきたい


ジェイド「では閉店後にお越しください、貸切なので」

『それアズールさんに怒られたりしません？』

ジェイド「責任を持って後片付けしますから大丈夫ですよ」

『…まぁ、それなら』

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