【ツイステ】おいだせ、おんぼろ寮(仮)

173.たった一度の魔法を ページ23

ジェイド「…え」




『初対面がアレだったし正直面倒だったんで関わりたくないとは思ってましたけど

今すごいラッキーだなぁって

本当に綺麗なんですもん、人魚って
まぁ、大変でしたけど一週間付き合って良かったです


ありがとう、ジェイドさん』


ジェイド「…本当に、

貴方には敵わない」


『はい？…あ、れ？いまなんか…』


今何を喋っていたんだろう
少し意識が朧げになったような気がしたのに、口が動いていたので何か会話をしていたのだと思う


(…無意識に言葉が出たのか…？

そろそろ末期だな)


せめて出るのは尊いまでにして欲しいが自制を養う必要があるのかもしれない




ﾁｭ



ジェイド「おや、少し逸れてしましましたね」



頰に手を添えられたと思うと、唇の横に柔らかい感触を感じた


…何が、起きた？


自分の今後について考えていたのだがそれらはどこかへ飛んだ

反応の仕方がわからず、これは何のコミュニケーションなのだろうと思考が切り替わる
しまった、予想外でリアクションがすぐに出てこない

(これは多分、何か返さなきゃ微妙なやつ)



目が合うが何やら満足げでより意味がわからない


…当たり屋のような事故だろうか



『…え、っと』

ジェイド「楽しかったです、一週間お疲れ様でした」

『…私フロイドさんじゃないですね』

ジェイド「そうですね」

『…これは報酬的な、そう言う』

ジェイド「いいえ、僕がしたかっただけなので」


『…はぁ』




ｷﾞｭｯ



『…あの…？』



両手が腰に回り、何やら不穏な空気が流れ始める
随分と指が長いようであばらやら骨盤やらをシャツの上からでも的確になぞられて
なんだか今になって


彼らのエリアに入った時点でこの状況ヤバいのでは？


と緊急サイレンが頭で鳴り止まない



(...なんかこれ、乙女ゲームでよく見る流れを着々と踏んでいる気がする)



おかしいな
肝心な時に踏み込めなくて分岐点間違えまくってるはずなのになぜ今ここに来てその要素が



(...いや、確定したわけじゃないし...?)



相手はあのジェイド・リーチだぞ
リーチの実はやばい方、この一週間人をオモチャのように楽しんでいた人物だ
見た目はそりゃ長身イケメン勉強できて仕事できてみたいなスキルは優良物件みたいな輩だが
中身はそんな


....あれぇ...？



(...え、そんなことある？)



いや、フラグが立っていないイベントなんて私は信じないぞ(強い心)

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