【ゲーム実況者】愛を吐き出して【短編集】

不可能なことを成し遂げるのは一種の楽しみだ／towaco／猫助　リクエスト ページ9

フラれたばかりのAに手を出すのは気が引ける。


でも、あろまのために泣くAを見た瞬間。

俺なら泣かせたりしないのに、なんて古臭い言葉が頭をよぎった。




不可能なことを成し遂げるのは一種の楽しみだ




「やから、俺は悪くない。異論も認めない」

「あのさ、それをわざわざ俺に言う理由がわかんないんだけど」




控えめに言うのは、特に友人というわけでもないえおえお。

昔交換していたLINEを今使うなんて誰が思ったことか。


突然な俺のお誘いに即承諾してくれたえおえおは良い人だ。



ジョッキビールをあおりながらえおえおは俺の顔を覗く。

ついさっき来たばかりなのに俺はもう3杯目である。




「あろまはAをフったんでしょ？それならいいじゃん」

「……そりゃあそうやけど」




俺が気になっているのはあろまのことじゃない。



俺はあの時「Aが好きだ」とは言っていない。

「あろまを見返さないか」と言って付き合うことが決定した。


だから、もし万が一あろまがAを奪い返しに来た時。


Aはきっと俺を捨てあろまの元へ帰るだろう。

いや、それがあろまじゃない他の誰かだったとしても。




「最低やな、改めて考えると」




酒は強くないと言っていたえおえおだが、早くも2杯目を頼む。




「気にすることないよ。あろまはもう、好きじゃないから」

「ん……なあ、あろまの好きな人って誰なん？」

「え？あ、ああ、それはわからない。教えてくれないから」




もう顔が赤いえおえおに不安を覚えつつ俺は話を続ける。




「でもあろまはAのときは律儀に紹介したんやろ？」

「うん。でも今回は俺らあろまを責めちゃったから」

「責めた？」

「なんで別れたんだって。だから気分悪くなったのかもしれない」




責めてくれたのか、と少しえおえおにきゅんとしている時。


客がやってきたのか店員が「らっしゃせー！」と叫ぶ。

しかもボリュームは下げずに「一名様ですね！」とも付け加える。




「あの、混んできたんでそろそろ……」

「いいじゃん、もっと飲もうよ」




と、俺の肩を押して引き留めるのは。

聞き覚えのある声。Aを泣かせた奴。




「あろま、さん」

「呼び捨てでいいよ。えおえおも呼び捨てなんでしょ？」




あろまはポケットに手を突っ込み、にやりと笑った。




ウディ・アレン







￣￣
長くなる予感しかしねえ。

てかMSSPグッズ無くなるの早すぎるね！？なんか嬉しい！！


リクエストありがとうございます！！！！

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