【ゲーム実況者】愛を吐き出して【短編集】

失敗は致命的ではない。変わらなければ、それこそが致命的になりうる／牛沢／幻奏音芽　リクエスト ページ46

「牛沢さん」

「あ……Aさん」




失敗は致命的ではない。変わらなければ、それこそが致命的になりうる




指定されたファミレスには俺より先にAさんがいた。
店の一番奥の四人席。先にクリームパスタを頼んでいたらしい。

Aさんは俺を見ると優しく微笑んだ。




「すみませんね、お腹空いてたので。牛沢さんも何か頼みますか？」

「……そんな気ィ遣わないでいいですよ、うっしーって呼んでいいです」




差し出されたメニューを受け取り、Aさんを見る。

Aさんは目を丸く見開いて俺を見た。
そんな視線から逃れるように俺はメニューに目を落とした。


これは正直ただの賭けでしかなかった。


Aさんは多分、何かしらの原因があって昔のことを隠してる。
俺がその何かに気付いた風を装えば、きっと話してくれる。

……そう思ったんだ。だから話さなければ意味がない。失敗に終わる。




「あ、あの、牛沢さ……」

「うっしーって呼んでたんですよね。結構仲良かったんですよね」




図星、とでも言いたげにAさんは言葉を詰まらせる。




「俺が今日会いたいって言ったのは、昔のことが聞きたいからです」




Aさんは俯いてしまった。
フォークに巻きかけていたパスタがするりと落ちた。




「なんでキヨもAさんも教えてくれないんですか」

「どうしてAさんの記憶はないんですか。どんな関係だったんですか」




「どんな関係って……」Aさんは消え入りそうな声で呟く。


後悔はしない。例え俺たちがどんな関係であったとしても。


そう心では思っているのに、震えが止まらない。冷や汗が溢れ出す。
どうして俺は、こんなにも恐れている？何に緊張している？




「教えてください」




深々と頭を下げると、さすがのAさんの勘弁してくれたみたいで。




「わかりました……キヨに止められてたんですけど」

「キヨに？」

「簡潔に言いますね。私達、付き合ってました」

「ん……はああああああああああああ！？！？」




ジョン・ウドゥン






￣￣
短い格言が売りのサイトを使って題名にしてるんですけど。

もうどんどん長くなってってますよね。勘弁してください。


リクエストありがとうございます！！！！

始めうまくいったものは半分できたも同然／towaco／猫助　リクエスト→←成長は往々にして苦痛を伴う過程である／レトルト／コア　リクエスト

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