最も賢いとは、まだ知らないことがある事だ/towaco/りんち リクエスト ページ5
「ごめんね、とわこ」
それだけ告げるとAはさっさと帰ってしまった。
わざわざ俺をカフェに呼び出しておいて。
自分で頼んだアイスコーヒーも半分以上残したまま。
意味がわからなかった。
俺は甘々なタイプでもなく王子様みたいなタイプでもない。
不愛想でくそつまらない人間だ。
それでもいい、と。
告白してくれたのはAの方なのに。
2ヶ月前くらいからAがおかしいのには気付いてた。
スマホの画面を隠すようになったり、デートを断ったり。
愛想尽かされたのかと思って抱きしめてみると。
Aは少し困ったような顔で笑った。
「……なんなんだよ」
ひとり項垂れていると「とわこ?」と聞きなれた声。
「あ、やっぱりとわこだ!前いい?」
「セピアさん……」
満面の笑みで前に座るのは音速兄貴のメンバーセピアさん。
会うのは本当に久しぶりだ。
わかりやすく肩を落とす俺を見てセピアさんは首を傾げる。
「どうかしたの?飲み物ふたつ頼むなんて……」
「そこですか……いえ、ついさっき彼女にフラれたんです」
「え!?とわこ彼女いたの!?」
俺は彼女がいることを誰にも伝えていなかった。
セピアさんはそっかあ、と自分のことのように悲しんでくれる。
面倒くさくて伝えていなかったことにも触れず。
「そっかぁ……俺が彼女できた瞬間にとわこがフラれるなんて」
「え。セピアさん彼女できたんですか」
そう言うとセピアさんは控えめににっこり笑う。
「今のとわこに言うのは不謹慎かもしれないけど」
セピアさんはスマホの画面を俺に見せてくる。
そこに写っているのは、俺もよく見た顔。
大好きだと言っていたイチゴパフェを頬張り、とびきりの笑みを浮かべている。
「この子が彼女!Aって言うんだあ」
「……へえ。どっちから告白したん?」
「それは俺だけど、うーん、お互い一目惚れって感じかな」
「そっか」
セピアさんに幸福を。
「なあ俺にも紹介してくださいよ」
何も知らないことが賢いのならば。
何も知らないふりをしてAに会おう。
ジョージ・サンタヤーナ
 ̄ ̄
これはとわこのバドエンでもありAのバドエンでもある。
素晴らしいお話ですね。先が気になります。
こういうパターンってとわこポジはセピアポジに手を出しがちだけど。
ここで手を出さないのが個人的には好き。だって悪くないもん。
仕返しは本人だけにするから最高なんですよ!!!
リクエストありがとうございます!!!!
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時透時雨 - 初めて見ましたけどとっても面白かったです。私もツイステにはまりました。推しはリドルくんとエペルくんです。これからも頑張ってください。 (2020年11月29日 13時) (レス) id: 0c7bbb9f73 (このIDを非表示/違反報告)
こがお(プロフ) - コアさん» ありがとうございます!!!続編までもう少々お待ちくださいね!!!応援ありがとうございます、愛してます!!! (2020年10月23日 21時) (レス) id: ae85b11110 (このIDを非表示/違反報告)
コア(プロフ) - 続編決定おめでとうございます!!これからも応援させていただきます!! (2020年10月23日 21時) (レス) id: d905128377 (このIDを非表示/違反報告)
こがお(プロフ) - コアさん» わかります……っ、結局全員好きっていうね……!!!リクエストありがとうございます!!! (2020年10月20日 21時) (レス) id: ae85b11110 (このIDを非表示/違反報告)
コア(プロフ) - ありがとうございます!!今回も神でしたぁ……!!こーくん推し…!私は花ちゃん推しです!でもこーくんもいい…!!(箱)またリクエストなんですが、続きをお願いします! (2020年10月19日 17時) (レス) id: d905128377 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こがお | 作成日時:2020年8月18日 15時