雲の向こうは、いつも青空／トシゾー&湯毛／椿 リクエスト ページ26
Aは俺にとって大事な大事な友達だった。
Aを失えば俺の居場所がなくなってしまうように。
俺を失えばAも居場所がなくなってしまうんだ。
太陽が照り輝く真夏のある日。
俺と湯毛さんは真っ黒な花瓶に白い菊を入れて、それをAの机の上に置いた。
利害の一致。
Aがいなければ居場所を失う。そのことがどうしても怖かった俺。
いつも笑顔で接してくるAがどうしても大好きで大嫌いだった湯毛さん。
「……は？」
かいている汗までもを輝かせながらやってきたAはわかりやすく驚く。
菊が自分の机じゃないどこかにあったとしてもこいつは驚くのだろう。
俺はAから目をそらした。
湯毛さんは絶望に満ちているAをただじっと見つめていた。
「おい、これどういうことだよ！」
「っせえな」
「は？……っ！？」
一番先に手を出したのは湯毛さんだった。
それは嬉しそうにAの真っ黒な髪を掴んで引きずり回して蹴りを喰らわした。
俺はずっと目をそらして、見ないフリをしていた。
それは俺だけじゃなく、他の奴らも同じだった。誰も助けに入ることはなかった。
毎日笑顔なAが血を流し苦しむ姿に皆興味があったのだ。
日めくりカレンダーをめくる度、Aの制服に付く血が増えていった。
俺はずっと待っていた。でも、助けを求めてくることもなかった。
「あ」
体育の時間、教室に忘れ物をして教室に戻るとAがいた。
俺のバッグが入っているロッカーをいじっていた。
Aの手には壊れたキーホルダー。
俺と湯毛さんとAの三人でお揃いだったやつだ。
気付けばAを思いっきり蹴っていた。
「こんなもん、いらないだろ！？もう友達じゃないんだから」
「ふざけんな、大事なもんなんや。返せ、触んなよ！！それは、Aとの」
「お前は、なにを見てんだよ！！」
俺の胸ぐらを掴んだくせに、Aは殴らなかった。
もういいとだけ呟き、壊れたキーホルダーを俺に返した。
それが最初で最後のAの抵抗だった。
雲の向こうは、いつも青空
次の日、Aは屋上から飛び降りた。
例のキーホルダーを手にしたまま飛び降りたらしい。
ルイーザ・メイ・オルコット
￣￣
少女レイっていう歌を参考にかきました。
男主のつもりですが、体は女で心は男みたいな感じでも原曲に忠実でいいですよね。
トシゾー感も湯毛感もないっていうね。
リクエストありがとうございます！！！！
幸せかどうかは、自分次第である／牛沢／りんち リクエスト→←平和は微笑みから始まります／FB777／猫助 リクエスト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
「短編集」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時透時雨 - 初めて見ましたけどとっても面白かったです。私もツイステにはまりました。推しはリドルくんとエペルくんです。これからも頑張ってください。 (2020年11月29日 13時) (
レス) id: 0c7bbb9f73 (このIDを非表示/違反報告)
こがお(プロフ) - コアさん» ありがとうございます！！！続編までもう少々お待ちくださいね！！！応援ありがとうございます、愛してます！！！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: ae85b11110 (このIDを非表示/違反報告)
コア(プロフ) - 続編決定おめでとうございます！！これからも応援させていただきます！！ (2020年10月23日 21時) (レス) id: d905128377 (このIDを非表示/違反報告)
こがお(プロフ) - コアさん» わかります……っ、結局全員好きっていうね……！！！リクエストありがとうございます！！！ (2020年10月20日 21時) (レス) id: ae85b11110 (このIDを非表示/違反報告)
コア(プロフ) - ありがとうございます！！今回も神でしたぁ……！！こーくん推し…！私は花ちゃん推しです！でもこーくんもいい…！！(箱)またリクエストなんですが、続きをお願いします！ (2020年10月19日 17時) (レス) id: d905128377 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こがお | 作成日時：2020年8月18日 15時
