【ゲーム実況者】愛を吐き出して【短編集】

夢見ることができれば、それは実現できる／湯毛／椿　リクエスト ページ18

綺麗な黒い髪も、揺れるポニーテールも、その奥二重も。

全てが俺を刺激していた。


眩しかったのは太陽じゃなく、Aだった。




夢見ることができれば、それは実現できる




「あっつーい……」




照り輝く太陽に叫ぶ気力もなくし、街中をよろよろと歩いている。

平日に休みができたからと家を出たのが間違いだった。


ここは早く家に帰るべきなのだろうが、辺りを見回してみる。



近くに良さげなカフェはないだろうか。結構涼しめな感じで。

いやもしかしたらチェーン店の方が涼しいのかもしれない。




「つめたっ！？」




突然頬が冷たくなり思わず叫ぶ。

後ろから控えめな笑い声が聞こえる。


そこにはペットボトルを持った湯毛さんがいた。




「ゆ……湯毛さん！」

「こんなとこにおったんか、暑いやろ」




湯毛さんはそう言うと私に例のペットボトルをくれる。



湯毛さんとは去年の夏、ちょうど今頃に初めて会った。

なんかのイベントでうちの会社と湯毛さんがコラボして、それで私が説明役だった。


そこから1年間全く会ってなかったのに、よく湯毛さんは私に気付いたなあ。

髪の色も変わり、髪型も変わった。髪をばっさり切ってショートボブにしたのだ。




「ぷはあ、生き返ったあ」

「ん、それはよかったわ。じゃあどうする？どっか行くか？」




関西人のノリなのか湯毛さんは私の手を握る。




「え……いやいや湯毛さんっなに言ってるんですか、帰りますよ！」

「帰るんか？まあそれでもええけど、具合悪いん？」




笑い飛ばしてやろうとしたのに真剣な顔でそう言うもんだから、私も驚いてしまう。

だって、私の顔を覗いたっていいけれど、これは流石に距離が近すぎる。


どこかおかしい。




「あの、湯毛さ」

「懐かしいなあ、去年はAポニーテールやったよなあ」

「え？」




私に手を掴んだまま湯毛さんは駅まで歩き出す。




「ほんま懐かしいわ、まさかそっちから告白するなんて思っとらんかったもん」




告白なんかした覚えなんかない。


でも湯毛さんは私が去年ポニーテールだったことを覚えている。

だから人違いっていうことはあり得ない。



私だということをわかっていながら、こういうことをしているのだ。




「湯毛さん、私、告白なんか……」

「Aは俺の大事な彼女だよ」




ウォルト・ディズニー





￣￣
こういう感じのヤンデレ、クレランボー症候群っていう病気らしいです。

なにそれリアルヤンデレじゃん好き……。


リクエストありがとうございます！！！！

愛が死ぬのは、愛の成長が止まる、その瞬間である／P-P→←ハングリーであれ。愚か者であれ／レトルト／コア　リクエスト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す