【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

今はただ　思ひ絶えなむ　とばかりを　人づてならで　言ふよしもがな／せらみかる／塩　リクエスト ページ5

僕は知ってる。

湯毛ぽの不器用さも。大きな体とは反対に繊細なところも。




あ




Aちゃんが現れて、湯毛ぽはすぐに恋をした。

最初は僕もAちゃんを警戒してたけど……。




「みかるくん、実際見るとめっちゃ可愛いね……？」




ああ、この人はいい人だなって。すぐにわかった。

不器用な湯毛ぽに幸福を。僕は湯毛ぽに協力しようと決めた。



ただ湯毛ぽが消極的だっただけ。



だから湯毛ぽは悪くないよ。


課長のことは嫌いじゃない。寧ろ、大好き。

だから今回だけは譲って欲しいんだ。お願い、課長。




「湯毛ぽ……」

「みかるさ」




フジが僕の手を優しく掴んだ。

僕はぎくりとして、慌てて笑みを作った。ぎこちなかっただろう。




「なにしてるの？なにしたいの？」

「なにって、なに？」

「課長とAが付き合ってるの、そんなに気に食わない？」




フジの声が低い。それほど本気なんだろうな。

ふうん、僕が湯毛ぽでフジは課長、か。




「別にそんなこと思ってないけど？」

「じゃあ変なことしないで。なにも言わないで」




僕はフジの手を払う。




「僕はなにもしてない。湯毛ぽに幸せになって欲しいだけ」

「課長からAを奪うことが湯毛ぽの幸せだっていうの？」

「そんなこと言ってない」

「じゃあ、なにしてえんだよ」




フジはそこまで言うと、はっとして頭を下げた。

正直僕もびっくりした。フジの口調が荒くなるの初めて聞いたかも。



僕は踵を返す。



フジになにを言われようが、僕は湯毛ぽの見方。

Aちゃんは決して課長のものじゃない。




「ただのエゴだよ、そんなんっ」




後ろからフジの声がする。




「Aに好かれたいのは自分なんでしょ！？」

「違うよ、僕は湯毛ぽに幸せになってほしいだけ」




エゴなんかじゃない。

湯毛ぽに幸せになってほしいだけ。決してエゴなんかじゃない。




「なにも知らないくせに、口出すなよ……」




僕の舌打ちはたぶん、フジには届いていない。




人づてならで 言ふよしもがな









￣￣
塩さん！！コメント欄だけで伝わったでしょうか……。


今、リクエストにお応えしてお話を書きました。

そして塩さんが続き読みたいなーと思うでしょう！思うかな？

そしたら今まで通り「続きお願いします」とコメントで言っていただきたいです…！！


毎回の塩さんの感想が楽しみなので……！めんどくさくてすみません。



リクエストありがとうございます！！！

陸奥の　しのぶもぢずり　誰ゆゑに　乱れそめにし　我ならなくに／ヒラノ課長／みみみ　リクエスト→←忘れじの　行く末までは　かたければ　今日を限りの　命ともがな／ヒラノ課長／みみみ　リクエスト

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