【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

恨みわび　ほさぬ袖だに　あるものを　恋にくちなむ　名こそ惜しけれ／湯毛／らび　リクエスト ページ15

人を愛すことと恨むことは、紙一重らしい。

それはまるで、嘘と真実のように。




恨みわび ほさぬ袖だに あるものを




「湯毛ぽ、髪にゴミついてるよ」

「え？あー……ありがとな」




湯毛ぽはそう言ってサラサラの髪に手を伸ばす。




「取れたか？」

「んーん、そっちじゃないよ」




そっと湯毛ぽに近付く。

ドキッとでもしてるのか顔を逸らす湯毛ぽに顔を近付ける。


唇が近付いて、あと1cmというところで。




「なーんて、嘘だけどね」




湯毛ぽの額にデコピンを食らわす。

数秒して湯毛ぽはかあっとわかりやすく顔を赤くする。




「ははーん、湯毛ぽかわいいー」

「おっっ前なあ！！本当……マジでなんなん！？」

「なんなんって野暮だなあ。好きだからに決まってるじゃん」




湯毛ぽは、は？と目を丸くする。

ほーんと騙されやすいよね。




「嘘に決まってるじゃん」

「ああもうまたかよ！！どきっとして損したわ！！」

「へえ、どきっとはしてくれたんだ」




湯毛ぽは「ほんといらつくわ」と目を逸らす。


そんな湯毛ぽの耳は赤い。

私の気持ちには気付かずに。





きっと、湯毛ぽは気付いてない。



自分でもバカなんじゃないかと思う。



友達が湯毛ぽにフラれたから。



それだけの理由で湯毛ぽを恨むだなんて。

対して仲も良くない友達なのに。


それだけの理由でわざわざ湯毛ぽに近付いて、こんなことして。




私がこんなに湯毛ぽを恨んでいるのに。

周りからしたら、私は湯毛ぽを好きに見えてしまうらしい。




(でも、私は嘘がうまいから)




仲の良くない友達と友達のふりをして。

対して恨んでもいない人を恨んだふりをして。




でも、ものすごく惜しいんだよ。

私が湯毛ぽを恨んでいた、それだけで私が朽ちてしまうことが。




誰も見たことのないエンディング。

考えることさえしなかった、終わり方。私の朽ち方。




「ねえ、湯毛ぽ」

「なに？」

「私湯毛ぽのこと、大嫌いなんだ。ものすごく」




私は、嘘がうまいから。




「……なんて嘘だけどね」




誰も気付かないでしょ。

私が湯毛ぽを好きになってしまったなんてこと。




恋にくちなむ 名こそ惜しけれ








￣￣
どういうこと！？！！！！？！

ごめん、めちゃくちゃ意味がわからない。笑ってください。


リクエストありがとうございます！！！！

筑波嶺の　峰より落つる　男女川　恋ぞ積もりて　淵となりぬる／湯毛／椿　リクエスト→←逢ふことの　絶えてしなくは　なかなかに　人をも身を　もうらみざらまし／せらみかる&ヒラノ課長／猫助　リクエスト

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