【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

誰をかも　知る人にせむ　高砂の　松も昔の　友ならなくに／湯毛／椿　リクエスト ページ23

「A、デートせん？」

「でっでででででで、デートぉ！？」




誰をかも 知る人にせむ 高砂の




どんちゃらどんちゃらと騒がしい夏の夜。

赤い浴衣なんかを着てみて、湯毛ぽを待つ。




「A」




どっくんと跳ねる心臓。

振り返ると半袖にジーンズの湯毛ぽがいた。




「ゆ、ゆゆゆっ湯毛ぽ」

「よ、ごめんなあ待った？」

「全然待ってないです、本当に」

「ふはっ、ほんま？つか声震えとるんやけど」




勘違いしやすいに定評がある私だぞ！？

普段は湯毛ぽ全然かっこよく見えないのに今日は……。


か、か、かっこ……かっ、かっ……！！！




「いやー悪いなあ。用事あっただろうに、誘っちゃって」

「ぜんっっっっぜん大丈夫」




ほんまにい？と湯毛ぽは目を細める。




「じゃあわざわざ俺のためだけにこんなかわいい格好してくれたん？」

「はっ！？」




か、かわ……かわいいって、かわいいって！！！

そりゃあそうですよ、デートだもん！！



湯毛ぽはぐーっと背中を伸ばす。




「そんじゃ行くか。ほれ、手ぇ」

「っぁ……手、って」

「いや人多いからさ。やならええけど」

「っ繋ぐ！！！」




金魚すくい。カキ氷。りんご飴。わたあめ。

くじ引き。お面。ヨーヨー。型取りラムネ。



一通り全部回ってみたけど、感想はひとつだけ。

湯毛ぽかっこい！！全部奢るとかなに？漢すぎない？？




「んーっ。今日は楽しかったな」

「楽しかったねー！でもいいの？全部奢りとか」

「いーのいーの。誘ったの俺やし」




と、私の頭に湯毛ぽの大きな手が乗る。




「っ……でもさ！なんで私なの！？」

「なにが？」

「夏祭り……デート、誘ってくれたの」




湯毛ぽは頬を染めて、首に手を当てる。

えっちょっと待って。そういうの待って。心の準備が。




「だって俺なんかと行ってくれるのお前しかおらんやろ」




……いやまあ、それは確かに。

あれ？もしかして私の勘違い？あれ？どきどきもクソもない？


はっずかしー！！！！！！！

ああ、純粋に友情ねえ？！ああ、はいはい、そういうのね。




「あ、まあうん！そうだね、あははー」

「……そ」

「へ？」

「……今の嘘。好きだから、っつったらどうする？」




拝啓神様。

私、やっぱりもうダメかもしれません！！！！！！




松も昔の 友ならなくに








￣￣
なんかちょっと意味わかんない。

エビバディセイ！！「わかんないわかんない！！！」


リクエストありがとうございます！！！！

あしびきの　山鳥の尾の　しだり尾の　ながながし夜を　ひとりかも寝む／こーすけ&ヒラ／猫助　リクエスト→←君がため　惜しからざりし　命さえ　長くもがなと　思ひけるかな／ガッチマン／猫助　リクエスト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す