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君が/きっくん×FB777 ページ21

雪が舞い散るある日のことだった。



将来のことについて真剣に考えなければいけない歳。

周りから急かされる俺の前にひとりの男が現れた。


俺もよく知る人物。




「俺にはFBが必要だよ」




君が




首が痛かった。

ソファの腕を置くところに首を乗せて寝ていたからだ。


起き上がってうなじをさする。

ソファの向こうにはカメラが置いてある。



撮影中に寝てしまったんだっけ。それとも終わってから寝たのか。



それはわからないけれど、他のメンバーがいないからたぶん撮影は終えたんだろう。

ソファから降りてリュックに手を伸ばす。今は何時だろう。




「あ、起きたんだ」




きっくんの声がしたのと同時にぱっと電気が付いた。

せっかく取り出したスマホをリュックに突っ込む。時間も確認できていない。




「うん……あろま達は?」

「帰った。お前さあ眠いって撮影後に寝るとかどういうことだよー!」




けらけら笑いながらぼふっと音を立ててソファに座る。




「お前のせいで俺がわざわざ見にくる羽目になったろー?」

「あはは……ごめん、なんか奢ろうか」

「えーいいよ別に」




手を弄りながら俺の帰りを待つきっくん。

普段ならここにあろまとえおえお。そしてカメラマンさんとスタッフさんがいる。


きっくんとふたりきりになるのは、本当に久しぶりだった。




「夢、見てたよ。すっごい昔の夢」




ふーん、と興味なさげに相槌を打たれる。俺は続ける。




「覚えてる?冬にさ、きっくんがお前が必要だって俺をバンドメンバーに誘うの」

「ああ……覚えてるよ。ちょうどいいかなって思って」




最初は半分遊びだった。それが今、MSSPというメンバーができている。


バンドだけじゃない。朝の情報番組に出るなんて誰が思ったことか。

スパチャで億稼ぐとか。自分たちがさいたまスーパーアリーナの舞台に立つとか。


えおえおとあろまにも出会えた。



これ以上ない最高な人生を歩めている。

あのとききっくんの誘いにのってよかったと心から思う。




「FBはさ、今幸せ?」




きっくんの声。俺は頷く。




「ねえ俺にはFBが必要なんだ」

「きっくん」

「だからさ、結婚しよう」




きっくんの誘いにのるべきなのか。

俺にはわからない。







 ̄ ̄
掴み所なさすぎてすき。こういうのがすき。

右肩の蝶/牛沢×towaco→←どうかお幸せに/牛沢&P-P×つわはす



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通りすがり - ごめんなさいtwtsです。普通に間違えてしまいました (2022年4月22日 19時) (レス) id: 255dda7903 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - tstwありがたい…しかしtszさんフルーツ苦手だし、ぽん呼びしないから気になってしまいました。しかし逆CPしか見かけないのでts右本当にありがたい。 (2022年4月22日 18時) (レス) @page16 id: 255dda7903 (このIDを非表示/違反報告)
メバチ - お久しぶりの更新お疲れ様です…待っていました…低音お兄さんの関係性諸々良いですよね、関西三人と北海道一人ってところがなんだかとても萌えてしまって…(?)これからもこがおさんを陰ながら応援させていただきます! (2022年1月30日 16時) (レス) @page31 id: 8b367529bc (このIDを非表示/違反報告)
どり - 久々に見てみたら更新されていて発狂しました…………お兄さんずいいですよねとてもわかります!!!!! (2022年1月26日 18時) (レス) @page31 id: c729adeef1 (このIDを非表示/違反報告)
はくや。(プロフ) - 初コメ失礼します。数少ない小説とても楽しく読ませて貰いました!個人的にgtus、tstwのお話が好きです!tstwさんの話の続き、いつか実現して頂きたい…!(願望) これからもひっそりと応援してます! (2021年9月12日 23時) (レス) id: 4e547d70a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こがお | 作成日時:2020年6月6日 21時

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