【鬼滅の刃】学園に吸血鬼がいるなんて聞いてない。

３９話 ページ39

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「Aー！ そのテント持ってきてくれなーい？」
『はいよー！ ここ置いとくねー』


ありがと！と可愛らしく微笑むクラスメイトに、またなんかあったら呼んでね！と声をかけてから持ち場に戻る。


察した人もいるかもしれないが、今は体育祭当日だ。

なぜ当日にテントを張ったりしているのかというと、前日はそりゃあもうすごい土砂降りで、体育祭は出来ないんじゃないかと言われるほどだった。


けれど、当日になってみれば太陽もギラギラと輝いていて、勝負の日にはもってこいの日だ。


因みに、獪岳との一件はそれ程トラウマにはなってないらしく、あれからも何度か私の家に来たが、私が獪岳を怖がることはなかった。


『(まぁその獪岳は今大学に行っていて応援に来れないんですけど)』

獪岳が善逸応援してたらめっちゃ面白いけど。何か悪いきのこでも食った！？ってじーちゃんと善逸に心配される図が目に浮かぶ。



「あっ、おーい！ A！ こっちだ！！」
『炭治郎！』


大声で呼ばれた所へ駆けていくと、そこには炭治郎が笑顔で手を振っている。

隣に空いている席があるあたり、私の席を取っといてくれたのだろう。


「みんなの手伝いして疲れたろ？ ほら、水筒持って来といたからちゃんと飲むんだぞ。熱中症になったら大変だからな！」
『お、お兄ちゃんんんんん……！』


なんだこの炭治郎から溢れ出るスパダリ感。やだイケメン将来有望な婿さんになるわね(何処目線)


暫く炭治郎と雑談をしていると、おーい炭治郎ー！とクラスメイトに呼ばれて行ってしまった。


私も手伝いはしてる方だけど、正直炭治郎には勝てる気がしない。

あいつ今さっき休めたところなのにすぐ手伝いに行って体力もつのかな……少しの心配にかられ、後でAちゃん特製のお茶を作ってやろう。と決意した。



ふぅ、と椅子に座り一息ついていたら、私の隣の席に伊之助が戻って来た。


『あ、伊之助。テント張ってたでしょ、お疲れさん』
「あんなもん疲れるのうちに入んねーよ！」


体育着を腕まくりしていて質のいい筋肉がよく見える。だが顔とのギャップがすごすぎて引くレベル。
こんな可愛い顔が筋肉だるマッチョなんて、ねぇ。


初見で「可愛い女の子見つけた！」って話しかけた時の私の絶望感ね。
そん時の恨みまだ覚えてるからな(理不尽)




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