【鬼滅の刃】学園に吸血鬼がいるなんて聞いてない。

３４話 ページ34

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「…はぁ、久し振りだなこの感じ。おいA茶出せ」
『私はお前の召使いかっての！ ったく、もー』


なんて文句を垂れながらも準備する私って相当できる女じゃない？

あっつー、と制服を脱ぎ捨てていつもの短パンとTシャツ姿になる。髪の毛はゴムでポニーテールにして、っと。


ふう、涼しい。やっぱこの格好なんだよなぁ。



冷蔵庫を開けると、一瞬だけ感じた冷気に触れて自家製のお茶を取り出しカップに注ぎ込む。

そこに氷を三個ほど入れたら、もうこの季節にはたまらない程のおいしいお茶の完成だ！！！



『はいよー、どうぞ』


お礼も何も言わずに踏ん反り返った獪岳はそのお茶を飲む。
無表情から変わらないようで、その口元は先ほどよりも穏やかになったのが分かる。


口下手だけど、こいつ結構顔にでるよな。と思ったり。


『よっしょい。あっ、獪岳が前見たいって言ってたホラー映画取ってあるよ、ほら』
「お前にしては有能じゃねぇか。早く付けろ」
『なんでお前はそーやってすぐ余計な言葉を言っちゃうんだ…！』


まぁ付けますけど。と不貞腐れたように映画をつけると、数分でその映画の虜になった。


チキンな私だが、一人では無かったらホラー映画はまれで、どちらかというと好きな方だ。



どきどき、とこの後の展開に胸を踊らさせていると、首の後ろからにゅっ、と腕が回された。


『ひえっ！？ ぁっ、び、びっくりしたぁなんだ獪岳か…ん？ どしたん獪岳』
「……」


私の首、正確に言えばうなじ辺りを見つめている獪岳は、あり得ないほど目を大きく見開いている。

お、おお。こんなに驚いてるの久し振りってか初めてじゃない？


そう思ったのも束の間、彼の顔は段々と怒りを露わにする。


「はっ、おま、え、いつのまにマーキングなんか付けたんだ。はっ、いやはっ？」
『ちょ、ちょちょ！ どうしたんすか先輩！』


獪岳さん動揺しすぎてはっ？が語尾になってますよ。
どーしたんだよ。と私が聞くと、お前これ…気付いてないのかよ。と深い溜息をついた。


『これって、えっ何その鏡…ここ見ろ？ ……ぇっ、え？？？ なにこれえっ？ 蚊にでも刺されたのかな』
「ばっかそうじゃねぇよこれは吸血鬼流のマーキングだ」
『きゅっ！？！』


彼が投下した爆弾に、今度は私の方が動揺する番だった。





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