17話 ページ17
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ぽつん、と気付いたら辺りは真っ暗で、私一人しかいない様な錯覚を受ける。いや、実際私一人しかいないのかもしれない。
声を出そうにも、喉に何か引っかかってあ行の言葉すらも出せない。
前も後ろも真っ暗な空間の中、どこへ向かえば良いのか途方にくれる私に、突然声がかかる。
「オネーちゃん」
幼い少女特有の声が後ろから聞こえた。
驚き振り向くと、そこには無地の白いワンピースを見に纏った少女の姿が。
その黒髪は腰まで伸びていて、顔はよく見えない。けれど、懐かしい様な既視感があるのは何故だろうか。
「わすれちゃったの? わたしのこと」
『忘れる…? はじめて、あったよね?』
無意識の内に心で呟いた言葉が、そのまま言葉になって出てきた。あれ、声が出る。
当たり前のことな筈なのに、それに喜びを感じた。
「おもいだして、あのひのこと。あのひげきを」
『思い出す、まって、あなた何を、』
そう言ったところで私の足元に光が入る。まるで、夢の終わりを伝える様に。
異変に気付いた少女は、寂しそうに微笑むとワンピースを揺らし更に闇へ同化していく。
「きゅうけつきに、きをつけてね」
『!? ッなんで吸血鬼のことをっ!』
そう言ってもこの声は届かないらしく、少女は振り向かずに歩いて行く。
待って、まって!この暗闇に置いていかないで!
そんな声も虚しく、私の意識は暗闇に放り投げられた。
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『ん、っ…こ、こは……』
「…あっ、A。起きたか?」
すっ、と目を開けるとそこにはドアップで映る炭治郎の顔が。炭治郎は、目を開けた私に優しく語りかけてくれてそれが酷く安心できた。
『あ、の。なんてたんじろーはここに……』
「なんだ、約束忘れたのか? 何処にいても助けてやるって」
『ぁっ…』
そうだ、確かに彼と約束した。
けど、そんな契約もしていない言葉だけの約束を守ってくれたというのか。
私は驚き目を丸くさせた。
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いつのまにかお気に入り登録者様と殿堂入りしてました。えっまじでいつのまに???って思っていたらただ通知が仕事していなかっただけのようですぶち転がしたろかテメェ(お口が悪い)
何はともあれとても嬉しいです、!コメントも読ませていただいてます!!すんごい励みになる…これからどう展開していくかはまだ決まっておりませんが、頑張っていくのでこれからもよろしくお願いします!
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アオ猫又(プロフ) - 獪岳が好きなんでこの作品がめっちゃ好きです!ありがとう、作者様…。 (2022年1月1日 21時) (レス) @page33 id: 6f2bf6bdd1 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - いつも楽しみにして見させてもらってます!失礼ですが、42話のしのぶさんの台詞の「あっ、そろそろ〇〇さんの番ですね。....」の番が版になっていました。詳しく書けたか分かりませんが、大丈夫でしたでしょうか?あと、更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月22日 21時) (レス) id: 1ef7d533ea (このIDを非表示/違反報告)
るる - 予告とかの文才がありすぎてヤバいです(←文才力0の人) 更新頑張ってください! (2020年4月17日 12時) (レス) id: 9d2e256c74 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の中の棒人間(プロフ) - みっくす14。さん» コメントありがとうございます。誤字指摘有り難いです......!おこがましいかもしれませんが詳しいページを教えてくださると助かります!(無能で申し訳ないです)。 (2020年1月4日 22時) (レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
みっくす14。 - いつも見させてもらってます!!でもちょーっと直してもらいたいところがあるんですよね。沢山誤字っております。(..)出会いの方ですかね? (2020年1月4日 1時) (レス) id: ebaa9545e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐の中の棒人間 | 作成日時:2019年12月26日 22時