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11話 ページ11

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「……昨日の事? どういう事だ? 昨日、小倉少女は貧血で倒れたと言ったが」


白々しい演技に、思わず眉が釣り上がる。
この男、バカにしてんの?

っというか、そもそも私が記憶持っている事本当に知らなかった説出て来てるんですけど。


イライラした態度を隠すように、私はにこりと微笑みを作った。



『それ、デタラメな事親に言わないでくれません?
先生ならちゃんと原因を話さないと、俺がお宅の娘さんの血を吸って貧血になりました。って』
「!」



不敵な笑みから一変、彼の大きな目はさらに開かれた。

反応からするに、やっぱり私の記憶を消したと勘違いしてる…?



「よもや、まさか記憶を保持しているとはな。術が失敗したか……?」
『…先生が、わざと私の記憶を消さなかったんじゃないんですか?』
「いや、人にバラす可能性がある奴を野放しにしてられんだろう。使えるもんを使っていかなくては」



……まぁ、一理ある。
私がこの男の立場だったら、また同じ事をするだろう。だが私はしっかり記憶を維持している、先生の言うように何かの術が失敗した…?



「しかたない。…もう一度、消すか」
『っ!?』


ぐんっ、と一気に距離を近付けられる。
はっ!?まって、煉獄先生とかなり距離を取っていたはずなのにッ!


反射的に逃げようとした私の手首をまた掴んだ彼は私の頭に手をかざした。
なにっ、何をする気?


言葉からして、今度は本当に私の記憶を消すみたい。何をされるか分からない恐怖で足がすくむ。


目をぎゅっと瞑り、来るであろうその瞬間まで耐えているが、特に体に変化はない。
なに、?またその術っていうのが失敗したの…?



『その手、どけてください…』
「! よもや、まさか君は、術が効かないのか?」



そんな人間がいたとは。と驚愕な顔をする煉獄先生から距離を少しとり、警戒をする。

記憶が消えないっていうのは、少しまずい事なのかもしれない。ちらり、と横目にドアを確認し、いつでも走れる様に心構えをし、息を吐いた。



『.…これで、私の記憶が消えない事は証明できました…って訳なんで、説明をちゃんとしてください』
「………」


そう言うが、無言に佇む煉獄先生。
直ぐに教えてくれるだなんて思ってない。これからはもう持久戦だ。



なんて思っていると、





「ふッ、ははっ、ははははっ!!!」


いきなり目の前の男が爆笑し始めた。
いや、えっ、どうした……?(シンプルな心配)





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アオ猫又(プロフ) - 獪岳が好きなんでこの作品がめっちゃ好きです!ありがとう、作者様…。 (2022年1月1日 21時) (レス) @page33 id: 6f2bf6bdd1 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - いつも楽しみにして見させてもらってます!失礼ですが、42話のしのぶさんの台詞の「あっ、そろそろ〇〇さんの番ですね。....」の番が版になっていました。詳しく書けたか分かりませんが、大丈夫でしたでしょうか?あと、更新頑張ってください!応援してます! (2020年11月22日 21時) (レス) id: 1ef7d533ea (このIDを非表示/違反報告)
るる - 予告とかの文才がありすぎてヤバいです(←文才力0の人) 更新頑張ってください! (2020年4月17日 12時) (レス) id: 9d2e256c74 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の中の棒人間(プロフ) - みっくす14。さん» コメントありがとうございます。誤字指摘有り難いです......!おこがましいかもしれませんが詳しいページを教えてくださると助かります!(無能で申し訳ないです)。 (2020年1月4日 22時) (レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
みっくす14。 - いつも見させてもらってます!!でもちょーっと直してもらいたいところがあるんですよね。沢山誤字っております。(..)出会いの方ですかね? (2020年1月4日 1時) (レス) id: ebaa9545e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐の中の棒人間 | 作成日時:2019年12月26日 22時

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