【鬼滅の刃】学園に吸血鬼がいるなんて聞いてない。

４３話 ページ43

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周りの女の子達も叫んでる中、一瞬だけ宇髄先生が此方を見た様な気がした。

その一瞬を逃さない様に彼の目をジッと見れば、宇髄先生はその整った顔を緩ませた。


「よォ、随分と派手なお誘いじゃねーか！」


それからは、もう一瞬。
目の前の沢山いた女子達は見えなくなっていて、気付いたら地面に足は付いていなくて浮遊感が体を襲った。


「A！？」
「なんっであいつ担がれてんだぁっ！？」


炭治郎と伊之助のそんな声を聞いて、私は今担がれてるのか。と理解した。
って、ん？担がれてる？


『へっ、ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！ な、ななななんで担いでるの！？！？ 』
「あぁ？ 派手にゴールした方がいーじゃねぇか！ それにちんたらお前と走ってたって一位取れねぇぞ！」
『まじ！？！』


嘘、と周りを見渡すと、私達よりも先にあるのは赤のハチマキを持った女の子。
くっそ、まじか抜かされてたのか…！


絶対一位を取りたい、というプライドが私の胸に宿り、私を担いでいる彼に叫ぶ。


『輩先生ッ！ 絶対一位取って！！！！』
「そのつもりだぜ、しっかり掴まってろよォ！」


そのままグンと勢いをあげた彼は、矢張り運動神経がめちゃくちゃ良いと思う。
一瞬でその女の子をも抜かし、一位でゴール。


ふわり、と地面に足を付けると安心感からかどっと疲れが溜まった。
いや、うん…宇髄先生身長高すぎて若干怖かった……


お題の紙を係りに渡すと、マイクを通して大声でお題を言われる。


「一年の小倉Aさんは【仲良い先生】で宇髄先生を連れてきて一位でした！ おめでとうございます〜！！！」


係りの人がそう言ったや否や、女子達の鋭い視線はもう無くなっていた。
これが好きな人、とか先生だったらもっと視線酷かったろうな…なんて苦笑い。


『あっ、宇髄先生。一位でゴールしてくれてありがと』
「それよりお前、俺のことさっき白髪とか言ってなかったか？」


にっこり、と微笑む先生だが後ろのオーラは黒い。思わず、ははっと引きつった笑いが出た。


『いや、あの言葉の綾というか…必死だったんで！』
「うるせぇ！ 問答無用だッ！ 因みに俺の髪色は白髪とかじゃなくて地毛だからな！！！」
『いやまっいででででで！ 痛いっす輩先生！！！』


頭をぐりぐりとやられて脳みそが出そう。

待ってまじで力強いなこのゴリラ！？！？
やめて！と叫ぶが楽しそうな笑い声が返ってくる。





体育祭はまだまだ終わらない。
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