【鬼滅の刃】学園に吸血鬼がいるなんて聞いてない。 2

５８話 ページ8

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その後も短距離走は続き、１、２、３年生とみな無事に終わることができた。


伊之助以外にめっちゃ速い人っていないだろ…って思ってたけど、えぇと、誰だっけ……髪の毛やばい子。
あの、数学担当のやべぇ先生のやべぇ弟(最低)


名前忘れちゃったけど、その子も結構早かったんだよなあ。伊之助との対決とか見て見たかったわ。


独走だった伊之助を始め、私のクラスの男子達が次々とこちらは帰ってくる。その中で、一際目立つ赤がかった髪色を発見した。

汗が滲んだ額にタオルを当てているポーズでさえも顔が整ってるためかっこよく見える。


『おつかれ〜！』
「…A！」


私の声に気付いた炭治郎は走り駆け寄ってくれた。

疲れている筈なのに、私が呼んだらにこにこ顔ですぐ来てくれる炭治郎は本当に出来た男だよ…


『1位おめでと、早かったよ』
「ありがとう！ でも、Aも一位だったよな？ たしか宇髄先生に担がれ、ングッ！？」
『ああああああッ、！！！ もうそれ黒歴史みたいなもんだからやめて！？！？』



彼のその後の言葉は察せた。その上で、その言葉の続きを書きたくなかった私はいっそいで炭治郎の口を封じる。

鬼のような形相でそう訴えれば、彼は冷や汗をかきながらも首を上下に動かしながら私の手首を掴んだ。

そしてそのまま勢いよく私の手を離すと、炭治郎は息を目一杯吸い込む。


「ぷはっ、！ A、鼻まで覆ってたら息ができないだろう！」
『えっ、私鼻まで覆ってた？』
「ばっちり」
『まじかごめん』


罪悪感から謝ると、彼は笑って大丈夫だ。と言ってくれる。んんん、優しすぎないか炭治郎！？！？

炭治郎の優しさにでれでれしていると、ふと野太く響く声が聞こえてきた。


「おいおかか！ 俺様の走りを見たかッ！」
『うん？？？ おかか？ 私小倉ね？ そんな美味しそうな名前じゃないよ？？？』
「一位だぞ！ 金メダル！！」
『やべぇ話聞かねぇよこいつ』


ワハハッ！と私そっちのけでハチマキをぶんぶん回している伊之助に呆れるが、確かに一位はすごい事だよね。

すごいすごい、と頭を撫でると、私達の間にポワポワしている空気が流れた。
…えっ？


「子分の分際で俺をぽわぽわさせようとしてんじゃねぇッ！」
『は？ えっ？ ほんとなに言ってんの伊之助、そもそも私伊之助の子分じゃ…』
「いくぞ昆布！」


だから昆布って何やねん一文字もあってねぇよ！と突っ込む前に彼は私の手を掴んで走り出す。
だから話聞いて！(切実)





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