【鬼滅の刃】学園に吸血鬼がいるなんて聞いてない。 2

５７話 ページ7

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「んまあ、A、聞いてよ。私がそんな不幸は蜜の味、みたいなこと言うわけないじゃない、さっきのは嘘よ嘘！」
『ぜっっったい嘘じゃない、絶対由良嘘じゃないでしょその笑顔…』


がっくりと項垂れている私の肩に手を置いている由良は未だに笑顔だ。その綺麗に弧を描かれた口から出た言葉は絶対に信じないゾ！！！

その笑顔、ダウトです。


だって〜！と何か弁解しようとしているのかわからないけど、無視だ無視。これ以上聞いていてもただ私が遠い目になるだけだ。

そう悟った私は、隣でまだ話したそうにしている由良を放って男子の短距離走を観戦する。
正直言って私は普通の短距離走に出たかったッ…！！


お題なんかあるからこんないざこざが起きんだよ！！！まあみんなが狙ってた【好きな人】の紙を取った男子は可愛らしい二年生の先輩に告白して成功してたけど！！！

おめでとう末永く爆発しろください！！！！！！(ヤケクソ)



「あっ、今走ってるの嘴平君じゃん、相変わらず速いわね〜」
『ん？ …うっわ走り方えぐっ』


のんびりとした由良が、指差しした場所を見てみると其処には一年生同士の争いが。
みんな速いが一際目立って、それでいてぶっちきりで一位の彼は相変わらず奇抜な走り方をしている。


なんであんな関節柔らかいの…？しかもなんであの走り方であんなに速いの…？

やっぱ伊之助ってちょっと、いやかなり可笑しいよな…あいつ獣にでも育てられたんじゃない？？？(失礼)


白いテープを切った伊之助は、うおおお！と腕を振り回しながら喜びを露わにしている。
相変わらず体と顔のバラスがあってないやつだ…と呆れ目で見ていると、ふと彼と目があった。


あっ、と口から小さな言葉が発せられる。

私が己を見ていると気付いたいのすけはその太陽の様な笑顔を私に向けて空高くピースをする。
その姿がなんだか微笑ましくて、私も彼に向かって最上級の笑顔とピースをお見舞いした。


…あっ、係の人に連れてかれた。


「お熱いこと〜」
そりゃあ迷惑だわな！と爆笑をしている私の隣で、ニヤニヤ顔の由良はそう呟いた。


『はあ？ 確かに今日は暑いけど…』
「そーゆーことじゃないっての。嘴平君とのペアも好きだけど、私竃門くんのこと応援してるって言っちゃったからなあ」


そうぼそぼそ呟く由良の言葉は聞こえない。
んんん？何言ってんだ由良？？？




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