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62話 ページ12

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『はっちょ、えっ…はっ!?』
「ワハハっ! 驚いたかA!」
『いのすけっ、!?』


私の腰を折らんばかりに突進して来た人物の正体は伊之助だった。
状況が理解できずにいる私とそんな私の反応を見て楽しんでいる伊之助。

しかも抱きついてるとこが腰って…結構危ないゾーンなんじゃない……?なんて伊之助に行っても無駄か。


『いっ、のすけ…! なんでここにっ…!!』


なんて私が聞くと、お前がおせぇからに決まってんだろー!と叫ばれた。

確かにもう十分程は経ってるけど…!でもこの状況を見て私に突進してきたんならお前ほんとすごいよ?!?!


そこでハッとする。
やばい、そうだ私は謂わば呼び出しをされている最中じゃん……!

ギギギと錆び付いた人形が鳴らすような音を立てながら後ろを振り返ると、そこには不機嫌度マックスな先輩達。


『(あ、これ終わった)』
顔面蒼白とはこの事。自分でもサアアアと血が引いてくのが分かる。


こ、今度は何を言われるのだろうか…話聞けよ、とか……?でも本当に、私何も悪い事してないし……そうだも元々の元凶あの人(宇髄先生)じゃん!!


内心ぐちぐちと言い訳を述べていると私を引き止めていた先輩達が動き出す。

何を言われるんだろう、とぐっと身構えるが彼女が浮かべた表情は笑み。先輩はゆっくりと歩み寄り、私の肩を優しく叩いたかと思うと耳元で、


『……ッ、!』
ぐきっ、と嫌な音が鳴った。
その瞬間足首に猛烈な痛みが走る。足を思い切り踏まれた、と理解した時にはもう遅い。

下品な笑い声を響かせながら彼女達は持ち場へと戻って行った。

取り残された私達の間に流れた静寂の空気。まるでこの場所だけ切り取られたかのような錯覚にさえ陥る。


その空気を最初に解いたのは、紛れも無い伊之助だった。



「…なあ、あいつら…知り合いじゃねぇだろ」
『……伊之助、絶対一位取るよ』
「………おう」


敢えてその問いには答えずに、燃え盛る心情を露わにした私に伊之助にしては珍しく静かに返事をした。


ぜっっっったい一位をとってやる。先程言われた台詞を頭の中で反復し、対抗心を燃やした。







ーーーー「凝りもせずその子も誘惑してんだ? ………あんま調子乗んなよクソビッチが」


………調子乗ってんのはどっちだよ。
あれだけ言われたんだ、ちょっとは痛い目に合わせたって、許されるよね。

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Alice - ( ,,`・ω・´)続きが早く見たいです!.更新頑張ってください (2023年2月9日 7時) (レス) id: 37c62558af (このIDを非表示/違反報告)
アオ猫又(プロフ) - 一気読みさせてもらいました!更新楽しみにしてます!! (2022年1月1日 21時) (レス) @page19 id: 6f2bf6bdd1 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - オモシロかったです!次の更新はいつでしょうか。 (2021年6月11日 6時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
リリア - すみません、誤字があったので言いますね。68話の最後の方の、「嗚呼、今日で何度目だろうか。」の「今日」が「鏡」になってました!間違ってたらすみません!! (2021年4月3日 23時) (レス) id: 6d42949a76 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - めっちゃおもしろいです!!!!!早く更新してくださいませ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2021年4月2日 10時) (レス) id: d7aea1f85d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:豆腐の中の棒人間 | 作成日時:2020年1月19日 22時

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