一話『バイト店員です』 ページ2
.
『ふんふふふふ〜ん』
鼻歌混じりであるうろ覚えの歌詞を、商品を並べながら歌う。短針はすでに十二時を過ぎていて今日一日で八時間は働いている体が重く感じた。
だがしかし甘えられないのが厳しい社会である！！
気を緩ませない様、より一層丁寧な仕草で仕事を進める。
お菓子コーナーに商品を並べていると、自動ドアのウィーンという音が聞こえた。深夜だからといって、コンビニは二十四時間営業が基本である。昼間より人は少ないがそれでも客は入る方だ。
「〜〜、？ た、……！！」
『……？』
お客様の迷惑にならない様、商品と物資をはじに寄せレジ打ち場まで行こうとすると、ふと声が聞こえてくる。
そろり、棚から今さっき入ってきたお客様を見つめると、そこには長身の、おしゃれな身のこなしをした男性の姿が。
一人の様だが、その手にはスマートフォンを持っていた。どうやら誰かの電話をしている様だ。
っと、違う違う。お客様を観察している場合じゃない。持ち場に戻らないと。
ぱたぱた音を立てながらカウンター前まで足を運び、いつでも会計ができる様準備をしておく。その際カウンター周りの掃除、物資の確認も怠らずにね！！これぞできるバイト店員です。知らんけど。
「はー？ だぁから、酔ってねぇって………あ��？ 口調が昔に戻ってる？ もどってねーし別に」
『………』
随分と柄の悪いお客様だなぁ、と声を聞きながら台を拭く。
自称酔ってねぇらしいけれど、歩き方もふらふらだし何よりうなじが赤くなっている。確実に酔ってらっしゃるじゃないですか。
……ちょっとまて何で私冷静に人のうなじ見てるの？？！？いかんいかん、お客様の事をやらしい目で見ていたらうちの店長が何て言うか。
……いやあの人は美人に目がないからな。自分の好みの女性が来たら半額で売ってしまう、ヤバい人だ。
根は善人なんだけどね、私も良くしてもらってる。
そんな事を考えていると、お客様がレジ前までやってきた。……カゴに大量のスイーツを入れて。
く、くそぅ…！！私だってお金に余裕があればあんなにスイーツを買って家で食べれたのに……！！
心の中で泣きながらそのスイーツ達のバーコードを読み込んでいくと、
「他のやつに聞かれたらって……はぁ、いーだろ、外であんな愛嬌振りまいてやってんだから。人だっていねぇし………あ、」
ばちり、視線が絡まり合う。
………あれ？私居ない扱いされてたの？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こんぶぇぇぇぇぇぇ - 続きはやく見たいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ！！ (2021年9月4日 17時) (
レス) id: 0614e5eebb (このIDを非表示/違反報告)
あんっち - めちゃ面白かったです！更新頑張って下さい！ (2021年4月6日 22時) (レス) id: fc837b6462 (このIDを非表示/違反報告)
仲間 - 超ーー面白かったです！ (2021年4月6日 17時) (レス) id: dbba37e842 (このIDを非表示/違反報告)
いたりー - ああああああああああああああさん» ごごごごめんなさいぃぃぃぃ！！私がもっと遅くにコメントしてたら良かったのにぃぃ（泣） (2021年4月6日 11時) (レス) id: 3170693201 (このIDを非表示/違反報告)
ああああああああああああああ - うわ待って僅差で1個目じゃなかった、、ただの騒音野郎じゃん、() (2021年4月6日 8時) (レス) id: a9ac42620a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：豆腐の中の棒人間
| 作成日時：2021年4月5日 23時
