五十一話 ページ12
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『ん、ぅ......』
今は一体何時なのかは分からないが、寒さに目が覚める。毛布をちゃんと被ろうと片手で毛布を探すが一向に見つからない。
仕方がない、と重い体を起こしてみると、毛布は遥か彼方に落ちていた。寝相悪すぎか私。
そんなツッコミをしながら、寒さに肩をぶるりと震わせた。
『............トイレ』
だめだ、お腹が冷えた。おトイレ行きたい漏れる。そんな思いをもちながら長い廊下を歩き『厠』と書かれた部屋に入った。
『あああ〜〜〜〜〜〜すっきりぃ〜〜〜』
じゃーと水の音を聞きながらまた元の道を歩いていく。丁度角となった向こうの先に、影が一つ。
あれ、私と同じようにトイレに行く刀剣か？という疑問は直ぐに解決された。
『！』
「.........」
私の目線の先に居たのは、ただただそこに立っている輪廻さんだった。
あれ、輪廻さん今日はずっと居ないって言ってたのに......いや、今はきっと夜中だから昨日か。
もう用事は済んだのかな。
輪廻さんに声を掛けに行こうと刹那。
『〜〜っ！？』
真っ暗な闇の中、満月だけが輝く。その光が本丸に差し込んだとき、見えてしまった。見てしまったのだ、彼を。
血に濡れた彼、輪廻さんを。
『ぁっ......ッ！』
思わず声が漏れた、素早く手を口に添えて息を押し殺す。幸い、先程の声は輪廻さんには聞こえてなかったようだ。
それよりも。
なんであの人は血に濡れているの？政府に行くだけなら絶対にそんな格好にはならない。
鉄のような、血生臭い臭いが鼻を掠め、胸の中から込み上げてくるものを抑える。
「.........一つ、お前に意思はいらない」
「一つ、お前に価値はない」
「一つ、お前は異物の存在」
続くようにまた一つ、と言葉を紡いでいく輪廻さん。
私には意味が分からない。血に濡れ、満月に照らされる彼にしか意味は理解できないだろう。
「一つ、一つ、一つ、一つ、一つ、一つ」
「一つ、お前はただ殺せばいい」
狂ったように言い続ける彼の瞳は、虚ろであって、でも満月の光を見続ける紅い瞳が怪しくもあり、とても美しかった。
と、そこでピタリと動いてなかった輪廻さんが動いた。私と反対方向に歩いていく。
確か、そっちはお風呂場だ。
私はというと、輪廻さんが立ち退いた今も呆然とそこに立っていることしか出来なかった。
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豆腐の中の棒人間(プロフ) - 伊達 光秀さん» 最後に、長々と喋ってしまいましたが質問ありがとうございました！面白いと言ってくださりとても嬉しかったです！！ (2020年2月17日 18時) (
レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の中の棒人間(プロフ) - 伊達 光秀さん» しかもなんか少しネタバレっぽくなってしまいましたよね！？！？うがあっ申し訳ないです……忙しいのも終わりこれからまた更新再開していく予定ですので、お話の方でまた細かく描写を頑張っていくので是非読んでくださると幸いです…… (2020年2月17日 18時) (レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の中の棒人間(プロフ) - 伊達 光秀さん» 打刀にしました。まだお話にはのってないのですが輪廻さんは無銘であり、無銘であるが切れ味抜群。ですが名刀と呼ばれる事はありませんでした。自分刀剣は好きですが中途半端な知識しかない為求められている答えは出せなかったかもしれません申し訳ないです→ (2020年2月17日 18時) (レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の中の棒人間(プロフ) - 伊達 光秀さん» 質問ありがとうございます。参考にさせてもらった刀剣は竹俣兼光と鉋切長光です。他にも参考にさせてもらった刀剣はいますが、主な刀剣はこの二振りですね。裏話ですが、元々輪廻さんは太刀にしようと思ったのですがお話を練ってるうちに打刀の方が進めやすいと感じ→ (2020年2月17日 18時) (レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
伊達 光秀 - 質問いいですか?輪廻さんって刀剣男士だと言っていましたが、作者さんはどんな刀剣をモチーフにしたんですか?あと、作品面白いです!続きを楽しみにしてます! (2020年2月17日 14時) (レス) id: f7e36ec018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐の中の棒人間
| 作成日時：2019年1月21日 22時
