『匂いつけても、いいですか？』【歌/い/手】

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.soraru side



「はぁ…」
「どうしたんですかそらるさん」
「なんか元気ないですねー？」


溜息を一つつくと、側にいた此奴らが心配して顔を覗き込んでくれる。
すまん、と素直に謝ると別に大丈夫ですけど……と言ったのがセンラ。

どーしたんすかー？と聞いてくるのが坂田。



……あっ、あっちでまふと浦島が同じような会話してる。


「なんか、今日のそらまふおかしくね？」
「それなー、覇気がないっていうか……まぁそらるさんはいつもなんですけど」


おい、いつもってなんだよ。というつっこみも入れられないほど俺、いや、俺とまふは落ち込んでいる。

理由は単純明快だ。



「あんのニートがっ……まさかねこさんと知り合いだなんて思うはずもないじゃんか…ッ！」
「ほんっっっとにな」

忌々しくそう呟いたまふに俺は同意する。
そう、事の発展は昨日のキヨのツイートだ。


なんと、キヨのツイートでキヨがねこさんと一緒に焼肉店に行ったことが分かった。それも結構仲よさげだったのが余計に悔しい。


俺含めまふまふや天月はねこさんを知ったその日からねこらーガチ勢にとって、知り合いのキヨが最推しのねこさんと一緒に焼肉店に行ったことが気に食わない。


まふや天月はねこさんをフォローしているから好きだってこと分かるはずなのにっ…なんで一声もしてくれなかったんだよ！


…え、俺？俺はフォローしてないのかって…い、いや、したいんだけど、なんかいざフォロー押すとなると緊張しちゃって……


……ヘタレで何が悪いんだよ！(３０歳です)



「はぁ……」
「はぁ……」

「いややっぱ今日のこいつらやばくね？」
「隕石降るー！ 隕石！！」


まふと俺の溜息が重なるのを見て、うしさせは困惑の声を上げた。

まぁそりゃあそうだよな。ここまふの家だし。家主がこんなんだったら俺も困惑するわ。


と、突然ぴこん、と部屋に通知の音が鳴った。

それは、俺とまふのケータイから。
すごい偶然もあるもんだ、同じ人フォローしていないと中々こんなの……


ん？フォロー？

「まさか」
「ねこ、さん……？」


まふもそう思ったのだろう。言葉が重なった。
すぐさまケータイを見ると、そこには新たな歌ってみたを投稿したという文字。


先程までの元気の無さから一転、ケータイを食い入る様に見てイヤホンを装備。まふと一緒に片方ずつつける。






……曲名は、威風堂々




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