『匂いつけても、いいですか？』【歌/い/手】

▼ ページ11

.uratanuki side



「っ……！」
「なん、これ…」



曲が始まった瞬間甘くとろける様な吐息に背中がむずりとした。それはみんなも同じ様で、となりのセンラなんかも目を丸くした。

歌い始めた時も衝撃的で、甘く耳を刺激する様な声なのにそれでいて不愉快じゃない声。
どうやったら、こんな声出せんだ…


声優をやっている俺でさえ、体験した事ない声に思わず身体が熱くなった。
………腰にくるな、これ。


と、ラスサビのコメントがざわざわという言葉で埋め尽くされる。それに、無意識に期待が高まった。

い、いや、期待を高め過ぎて裏切られるのも嫌だから、あんまり期待しない様に……なんて思うが、本当はどんな声をしてくるのか、気になってしょうがない。

？あれ、もう全て終わりそうだけど………っ！？



「あかんて、反則やろ……っ！」

センラの言う通りだ、これは、反則だ。
曲の始めの時は喘ぎなんてなかった、吐息だけだったのに(吐息だけでもやばかったが)

最後だけ入れてくるとか、それも本気で喘いでんじゃねぇか！(渾身のツッコミ)


曲が終わっても、まだ俺の頭はぼーとしていて、さっきの人の歌がずっと頭の中にループしていた。


「ね！？ やばいでしょ！？ ねこさんの威風堂々！！！ 色気が色気すぎる！！！」


まふに至っては語彙力をかなり失っているし。
いや、でも、まふの気持ちも今なら分かる。

あるコメントでは、「いつものかっこよさもいいけどこの色気の歌い方もめっちゃ良い……」って言ってる人がいた。

他の歌ってみたではどんな歌い方をしているのか、考えるだけで胸が高鳴る。



「なぁ、まふ」
「はい！？」
「この人、なんていうの」

俺らがそう質問する事も予定内だったのだろう。まふは、自分の事でもないのにドヤ顔をして一言。





ねこけいうたいて、さんです！


知り合い以外では歌ってみたをあまり聞かない俺に、唯一の推しができた瞬間だった。




.
おまけ


「フォローすんのめっちゃ怖えぇ……」
「よ、四人ですれば大丈夫や…」
「そういうまーしぃの声、震えてるけど！？」
「さかたぁ！ うるさい！！！」

「せ、せーのでいくぞ！？ せ、せせせ、せーーのぉ！！！」


「………」



「よっしゃあ！ 押せたぁぁ！！！」
「は、はぁっ…めっちゃ体力使ったぁぁぁ！」
「フォロバしてくれるかなぁ」
「坂田めっちゃ余裕やん………」
何だかんだめっちゃ仲良しなうしさせ




.

▽.初の生放送→←▼

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す