甘酸っぱい味 - SE - 3 (ページ27)

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靴の踵何て踏んで、無我夢中で走り出す。

「あれ、Aちゃ..ってお、おお！」

呑気に歩いてたベクオッパ達三人の間をすり抜けて走れば頑張れー何て声が聞こえる。

息を切らして自分の家の近くまで来て、家が見えた時。同時に二人の人物が見えた。

「っ..好き！！！」

もう二人の顔が確認出来る位になれば、大きな声で聞こえる好き、の言葉。ぴたりと止まった私の足。動きたくないって、二人に近付きたくないと私の本能が言ってる。だけどその思いは虚しくチェウンちゃんが私の事を見付けては腕を強く引っ張ってセフナの前まで連れて来る。困惑と驚きの表情を見せるセフナとは目を合わせなかった。

「Aちゃんが、セフナと別れる予定って言ってたから..！！」

『チェウンちゃ..っ』

ギリッと強く掴まれる腕とあんたは何も言うな、とでも言いたそうな目。思わず言葉を飲み込んでしまった。

「は..？チェウン、お前いい加減に」

「セフンは何も気付かないの！？」

「何年もアプローチして、ずっと好きだったのに、どうしてこんな、知り合ってすぐの女に取られちゃって！！大好きなの、ねえお願いだから..」

チェウンちゃんは大粒の涙を零しながらセフナに訴え掛けた。私がセフナと出会う前からずっとずっと、セフナしか見ていなかった事が分かった。

確かに、何で私みたいな普通の人がこうやってセフナと恋人になれたのかが分からなくて、チェウンちゃんが吐いた私の嘘も飲み込めばもしかしたらチェウンちゃんとセフナは付き合うのか。何て考える。

そうしている内に、セフナはやっと口を開いた。