独占欲の強い彼,, 【Mizuki.I】 (ページ47)

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そして帰り道...。

優斗先輩との間には少し沈黙が続いていた。

すると優斗先輩が口を開いた。

優斗「いやあ、瑞稀も大変だよなー」

「そ、そうですね...」

優斗「だって、お母さんは中学生の時に亡くなってるし、お父さんは漁船に乗ってお金稼ぎに行ってるし...」

「え？」

優斗先輩の口からは聞いたことの無い話が出てきた。

優斗「だから、家にはいつもマホちゃんと瑞稀の2人だけで...お金はお父さんが振り込んでくれてるらしいけど、」

「...」

そんな話、聞いたことない。

優斗「って、、もしかして知らなかった？」

"知らなかったです"なんて言ったら優斗先輩どう思うだろ。

彼女のくせに知らないの？

1年位付き合ってるのに知らないの？

どんなことを思われるか分からない。

私は黙っておくことしか出来なかった。

優斗「し、、知らなかったんだ...」

「...」

優斗「もうこの際言っちゃうけどね、」

優斗先輩が真剣な顔をしながらそう言ってきた。

優斗「で、でもやっぱりここじゃ話しにくいかな、Aちゃんち行ってもいい？」

優斗先輩からの突然の言葉に私は思わず"はい"と返事をしてしまった。