▼届かない声 ページ14
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花火が始まるにつれて
増える人の数。
手を引かれたまま
先輩の背中を見つめ、後ろを歩く。
急なことで、心の準備すら整っていない私は
内心、凄く焦っている。
でも、こんな状況の中ですら
触れられている、肌から伝わる熱が熱くて
どうしようもない不安と期待が入り混じる。
すると先輩の歩く速度が徐々に落ち
足が止まった。
A「黒尾先輩..？」
黒尾「...。」
賑やかな音
流れて行く人たち
私の声が小さすぎて
聞こえなかったんだ、と思い
もう一度
今度は、聞こえるように
先輩の名前を呼んだ。
A「..黒尾先輩。」
黒尾「...。」
まだ声が小さかったのかな。
ううん、違う。
今まで、どんな小さな声にでも
先輩は必ず答えを返してくれた。
だから、さすがに２回目は
泣きそうになる。
A「..っ。」
次の言葉すら探せずに
下唇をグッと噛みしめていると
背を向けたまま、先輩が口を開いた。
黒尾「..急に連れてきてごめんな。
つーか、さっきも邪魔しちゃったし。
...まぁ、今もなんだけど。」
いつもより低く、小さな声で話す先輩は
どこか悲しげな声色で
黒尾「もう..赤葦と付き合った？」
と、顔だけを軽く後ろに向け
聞いてきた。
A「..え、..な、んで...。」
先輩の口から出てきた言葉は
私が予想していたものとは大分違っていて
聞かれた私ですら、驚きを隠せない。
黒尾「..あー、さっき手繋いでたし、って..
幼馴染なんだから、もっと前から付き合ってても
おかしくねーよな。」
悪ィ、と悪戯っぽく笑いながらも
また、あの作ったような笑顔で話す先輩。
A「..ち、ちが。...先輩っ。」
黒尾「いや、でも..赤葦は
俺からしても頼れる奴だから、安心したわ。
...良かったな、A。」
私が、理由を話そうとも
先輩の言葉で、すぐに遮られてしまう。
勘違い、させてしまっている。
私の、今までの言動全てが。
A「...ッ。」
上手く言葉に出来ない、自分の無力さが嫌になる。
でも、ふと思ったのは
安心したのなら
どうしてそんなに悲しい瞳をして
優しい声で、私の名前を呼ぶのだろう。
離れはしない、この手の温度に
先輩、私は少しだけ
期待をしてもいいんですか？
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R.(プロフ) - ののさん» のの様、申し訳ございません>_<せっかく温かいコメントを下さっておりましたのに、お知らせ機能なのか上手く届いておらず只今確認致しました、本当に申し訳ありません。コメント、嬉しい限りです(*^^*)これからも精進して参りますので、どうぞ宜しくお願い致します！ (2017年6月18日 23時) (
レス) id: b10f92c2d5 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 文章が凄く綺麗でいつも更新楽しみにしてました！番外編も楽しみです…！ (2016年10月15日 10時) (レス) id: 578eba3082 (このIDを非表示/違反報告)
R.(プロフ) - 梟大好きペンギンさん» 梟大好きペンギン様＊コメントありがとうございます!初めてのコメントを頂けて、私の方が感動です!ありがとうございます!!正直、見てくださる方が本当に面白いのか不安でしたが、本当に励みになりました(*^_^*)これからの更新も頑張りますので、宜しくお願い致します☆ (2016年9月3日 14時) (レス) id: 80d842a71d (このIDを非表示/違反報告)
梟大好きペンギン - 赤葦の告白で泣いてしまいました。これからどうなっていくか楽しみです。更新頑張ってください！！ (2016年9月2日 21時) (レス) id: f66e7e3250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R. | 作成日時：2016年8月15日 9時
