殺し屋姉弟に愛情を (ページ9)

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8話　☆ ページ9

イツキが身体測定を行っているころ、Aが外交を教わっているころ・・・・・。

「なんや・・・・これ・・・・・・。」

ゾムはある任務をグルッペンに秘密に言い渡され、とある国に来ていた。

それは、二人の生まれ故郷であるリアマ王国、アンディ地方。

ゾムが目にしたのは焼け焦げ落ちたその地方と首都で重労働を強いられる市民。

「こりゃ、二人が逃げ出すのもわかるわ・・・。

っ！？」

ふと飛んできた矢にすぐさま避ける。

「この国に何の用だ。」

「へぇー？この国ねぇ・・・。それより先に名乗るのが先やと思うねんけど。」

「お前には関係ない。」

「本当にそうなんか？」

ゾムはその男に剣先を向けたまま話し続ける。

「・・・・どういうつもりだ。」

「なぁ、お前が欲しがってるものはあの子たちじゃない、
その生まれ持ってきた才能やろ？」

ゆっくり、ゆっくりと近づいてくる。

「お前に、お前に何がわかるっていうんだ！」

男はゾムに向かって剣を抜いた。

剣をかわしながらゾムは男に問いかける。

「うちの総統閣下は頭が回ってな、お前のことも調べ終わってんねん。

すべて・・・・な。」

「お前たちにあいつらの何がわかる！」

「なあ、もうやめへん？

わかってんやろ？リアマ王国皇太子、ハルヤ＝リアマ。」

ハルヤと呼ばれたその男は顔を険しくする。

「お前には残念だがここで死んでもらうぞ。我々国幹部ゾム。」

「なんや、俺のこと知ってんやん。」

ゾムの周りを囲んだのは国の兵士。数十人いることから下手な動きはできないだろう。

「総員、いますぐこいつを抹殺しろ！」

ふ、とゾムの口角があがる。
剣を再び握りなおして移動していった先は崖の手前。

「逃げ切った先が、崖の手前とは・・・貴様の運の尽きだな。」

「それはわからんで。」

奥の方にいた兵士が次々と倒れていく。

「遅かったやんか。シッマ、シャオロン。」

「これでも急いできたんやって！！」

「急に呼び出しとか・・・・。」

三人が集まってゾムはもう一度、口角を上げ微笑を浮かべた。

「だからゆうたやろ？運の尽きかはわからんって。」

「くっそ・・・・・・撤退だ。
今度はお前を殺してやる・・・・。」

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入んないのでもう一話！！！