殺し屋姉弟に愛情を (ページ21)

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２０話　☆ ページ21

時は少し遡り、ゾムがエーミールのいる司書室に訪れたときのこと。

「エミさん、伝言や。ハルヤから。」

「・・・・・・・・・・・・わかりました。」

ハルヤはゾムと対峙した時、ゾムのポケットにメモを残していたのだ。

リアマ王国を救うための作戦が書かれていたことに気づいたゾムはエーミールを訪ねていたのだ。

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「ハルヤから聞いたよ、シンヤ。お前がこの国の政治を行っていたんだろう？

薄眼の人間の迫害も、地下実験室での人造人間の計画もお前がやっていたんだろう。」

エーミールはゆっくりと言葉を連ねる。

「そうだ、シンヤ。俺が薄眼の人間の集団殺害も俺が薄眼の人間を憎んでいるからだと思っていただろう？

それは違うな。俺は頼まれたんだ。あいつらに。」

『シンヤ皇太子に殺されるくらいなら愛しい貴方に見届けられて死んだ方がましよ・・・・。』

『駄目だ、メイ。早まるんじゃ・・・・！』

ハルヤは地下実験室に囚われていた薄眼の一人、メイと名乗っていた少女に恋をしていた。

互いに恋に落ちた二人は秘密裏に会っていた。

あの時、薄眼の人間は自ら命を絶ち、最後の一人となったメイは愛しいハルヤに見届けられて命と絶った。

彼女の返り血を浴びたハルヤを偶然、エーミールが目撃したといったところだ。

ハルヤが全員殺したように報告したのもシンヤだ。

兄二人を地獄へ落とし、自ら政権を握ろうと計画していたのだ。

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「そんなバカな・・・・。」

愕然としたシンヤに剣先を向けハルヤは言う

「俺とお前は同じ母親から生まれた、同じ血を分けた双子だ。

だが俺はお前が母上を殺した時から一度もお前を兄弟と思ったことなどない！」

「それはこっちの台詞だ！！！」

「お前を今度こそ地獄へ葬るのが俺の罪の償いだ！！」

「馬鹿馬鹿しい！！どうせもうじきAに取り付けた爆弾がこの国ごと無きものにするというのに！！」

≪！！みんな聞こえるか！

早くAちゃんを救出しないとこの国ごと滅んでしまう！！≫

≪なんやて！？おいゾムそっちはどうだ！！≫

≪それが・・・・・・・・・・

地下実験室の扉が壊れない鉄の扉なんや・・・・。≫

≪なら、あれを使うべきだと思うよ。≫

突如会話に入ってきた声に驚く

≪くられ先生！？！？≫