轟炎聖 ページ12
ガコンという音がしてから目の前に現れたのがマナのホログラム。勝己が使ってた練習場でやるから案内して。と告げホログラムは消える。
しぶしぶ、案内して着いた先はジーニアスの地下練習場。
勿論、建図が個性で作ったものだ。
「ようこそ、ジーニアスへ。」
出迎えたのはビルドとマナ。互いにヒーロースーツに身を包んでいる。
「ベストジーニストとイトナ先生は？」
「ああ、姉さんと義兄さんなら少し遅れるとか。それまで俺の作る仮想敵でも倒しといてくれ。」
そうして焦凍を除く、切島、緑谷、麗日、爆豪、八百万が訓練場に入っていった。
「おい、轟？」
「少ししたら行くから先に言っといてくれ。」
そう切島に告げ、焦凍は写真立てに入っている写真を見つめる。
「わかっちゃった？まぁ、エンデヴァーさんから言われてるかな。」
焦凍が後ろから聞こえた声に振り向くと、マナの姿。
「あの・・・・。」
「まだ聞いてないかな？じゃあ私からは炎聖さんの話をしようかな。
こっちの応接室に来てくれる？」
焦凍は言われた通りにマナについていく。
「炎聖さんが亡くなったのは２０年位前かな。ヒーロー活動がベテランの域に達するあたりでの事故・・・いやあれは殺人だね。
師匠・・・焔さんが今の焦凍くんくらいの時の話だよ。
敵がね、焔さんが下敷きになるような角度で高層ビルを爆破。生まれつき重い病にかかっていて手術後も早く走れなかった焔さんを遠くに投げ、自分はビルに押しつぶされて。」
マナが話を終えたあと、焦凍の様子を伺う。
「信じられない・・・・だろうね。炎司さんが一番この事件を悔しがってたから。
未熟な自分が取り残されて、優秀な兄は他界して。」
「・・・親父が一度、話してくれたことがあります。親父の兄貴は優秀で今生きていたらオールマイトに代わって平和の象徴になっていたかもしれないのに。と言ってました。」
「後の話はすべて炎司さんに聞くんだ。これはね、機密事項なんだけど親戚だから焦凍くんには話すね。私達ＳＴＡＲＳのメンバーは焔の死んだ瞬間の記憶がないんだ。
大事な仲間、師匠を失ったショックによる一時的な記憶喪失なのか、あるいはそういう個性の持ち主によって記憶の一部を消されたか。師匠が亡くなって15年も経つのにいまだにわかりゃしない。だから、聞きたいなら炎司さんに聞いて。そしてその結末を決してＳＴＡＲＳのメンバーの誰かに話さないで。」
拳を握りしめて呟いたマナの言葉に圧倒される。
「わかりました。」
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作者名：麻倉詩悠 | 作成日時：2018年7月29日 11時
