乃木坂 短編小説

不登校（白石麻衣） ページ2

(白石)

最近、気になっていることがある。

それは、３期生の愛華ちゃんのこと。愛華ちゃんは、蓮加と同い年の中学生。

蓮加は、現場に中学校の制服で来ることがよくあってお友達との話もよく聞かせてくれる。

だけど、愛華ちゃんの制服姿は見たことがない。いつもは、明るくて満開の笑顔なのに、学校の話は聞いたことないし…

ほら、今だって。

蓮加が梅ちゃんに学校の話をした瞬間、楽屋の外に行っちゃった。しかも、暗い顔して…

初めて見ることではないけれど、ずっと気になっていたから追いかけて見ることにした。


白石『あっ…いた。』

愛華ちゃんは、楽屋が出てすぐ近くのベンチに座っていた。

白石「愛華ちゃん？一人でどうしたの？」

愛華ちゃんは、恐る恐る顔をあげた。

愛華「白石さん…？」

白石「隣、座るね。あのね、気になってたことがあるんだけど聞いてもいいかな？」

愛華「はぃ…」

白石「私の勘違いかもしれないけど、蓮加と同い年だから学校の話になったりすると思うの。だけど、愛華ちゃんは避けているように見えるから気になったんだけど…」

愛華「……(涙)」

愛華ちゃんは、静かに涙を流していた。

白石「話、聞くよ?ゆっくりでいいからお話してごらん？」

愛華ちゃんには、何かあるんだ。聞くなら今しかない。

愛華「私…学校行ってないのｯｸ… 小学校の頃、いじめられてたから中学校でも行けてないんです…」

白石「そっか…大丈夫、大丈夫。私もそうだった。辛かったね。」

愛華「学校のお話を聞くのは、楽しくないの…」

白石「そうだよね…でもね、乃木坂って愛華ちゃんと同じ経験をしているメンバーが何人がいるの。だから、相談していいからね!」

愛華「はい…」

白石「おいで!」

愛華「(笑)」

愛華ちゃんを抱きしめて涙を拭いてあげた。私もわかってあげられることだから頼ってほしいな。

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