俺だけの秘密 ページ27
『A、今日はありがとな。』
『いえ。いい作品が撮れて、良かったです。』
『そうだな。出来上がりが楽しみだ。』
香田を見送るために出口に向かいながら、2人は会話をする。
大きな窓がある廊下を曲がると、出口が見えた。
『完成したら、ご連絡しますね。』
『会社に？それとも、俺に直接？』
『え？』
立ち止まった香田を見上げると、Aを見て優しく笑っている。
『俺の番号、もう消しちゃった？』
『………』
『そうだよな。変なこと聞いてごめん。』
俯くAに声を掛けると、香田はAの頭にポンポンと手を乗せる。
フワッと香る香田の香りと、手の大きさが懐かしい。
『香田さん。』
『ん？』
『どうして、私だと分かったんですか？あの広告。』
その懐かしさに触れ、ふと、Aはその理由を聞いてみたくなった。
あの広告が無ければ、きっと今、こうしてまた香田と会うことはなかっただろう。
『あーあれか。』
思い出すように顔を上げると、視界の端で動いた何かに気づき、香田は少し考えるような表情になる。
そして、Aを見ると微笑んだ。
『ほくろ。』
『え？』
『ここ。』
そう言うと、香田は向かい合うAの右の耳元に軽く触れる。
少しビクッとしたAを見ると、
『Aはここにほくろがあるだろ？それが、あの広告のアザーカットに写ってたんだ。』
『よく、覚えてましたね。』
『覚えてるよ。俺だけが知ってる秘密みたいで嬉しくて、そこにいつも…』
『いつも？』
話を途中で止める香田に首を傾げて聞くと、香田はAを見つめる。
『いつも……キスしてたから。』
急にそんなことを言われ、Aは赤くなり、視線を逸らした。
『はぁ…ごめん。今日なんかおかしいわ、俺。』
香田は、自分でも予想外の言葉に苦笑いしながら謝る。
『見送り、ありがとう。出来上がりを楽しみにしてるよ。またな。』
そう言って爽やかに笑いかけると、香田は足早に出口へ向かい、自動ドアを抜けていった。
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あや(プロフ) - ありがとうございました。早速読みました。この先どうなるのかとっても気になります。楽しみに更新待っています。 (2018年3月24日 7時) (
レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - あやさん» あやさん、こんにちわ！4章のパスを外しました☆ぜひ、お話を楽しんでくださいね♪ (2018年3月23日 16時) (レス) id: 78e85aba12 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ありがとうございます。待っています。パスな外れる時をドキドキしながら。私も物語の中にダイブしたいです。 (2018年3月9日 19時) (レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - あやさん» あやさん、読んでくださりありがとうございます！思いやれる相手、いいですよね☆パスのついている４のお話は、いま下書き中になっています。準備ができましたら、公開しますね！もう少しお待ちいただけると嬉しいです☆ (2018年3月7日 12時) (レス) id: 78e85aba12 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 毎回楽しみに更新を待っています。この先が、ドキドキです。パスワード教えてください。私も相手のことを思い愛される人になりたい。自分をプレゼントいいなぁ〜 (2018年3月7日 7時) (レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2017年12月18日 1時
