分かってたよ ページ13
『あ、その位置ずらそうか。もう少し右に。うん、そこで。ありがとう。』
いつもより早くから始めたこともあり、撮影現場の準備は順調だ。
撮影が始まったら、最小限のスタッフを残して、あとはスタジオから出てもらうことになっている。
それに備え、Aと西野は朝から準備に追われていたが、それにも終わりが見えてきた。
『渉、こっちはOKだよ。』
『こっちももうちょいだ！』
ユノのセットを作っている西野からも、明るい声が返ってくる。
『そろそろAさんを借りたいんですけどー？』
2人の様子を見て近づいてきたユイが、西野に話しかける。
『マッサージと、メイクしましょ？』
Aの方を向くと、ニコニコと楽しそうに笑う。
『エステ並みにマッサージしちゃいます！』
『おーおーしてもらえ！すべすべになってこい！』
西野の答えに、
『じゃあ、部屋あっためときますね！』
と、ユイは走り去っていった。
『Aさん！』
声に振り返ると、香田さんがお見えです、とスタッフに呼ばれる。
『わかった、すぐ行く。』
『俺も行くよ。』
『手、離せないでしょ？私が先に行ってくる。』
わかったと渋々言う西野に笑うと、Aは香田のいる休憩室へ向かった。
『香田さん、おはようございます。』
『あぁ。A、おはよう。』
カップのコーヒーを片手に外を眺めていた香田は、Aを見ると優しい表情になる。
Aの方に歩きながらポケットを探ると、香田は自販機のボタンを押し、Aにカップを手渡した。
『ありがとうございます。いただきます。』
『…よかった。カフェラテが好きなのは変わってないな。』
『覚えててくれたんですね。』
香田はAを見ながらそう言って微笑むと、Aも自然と笑顔になる。
『当たり前だろ。A、撮影のモデル、引き受けてくれてありがとな。』
『いえ。私だと分かって、やっぱりちゃんとしたモデルにすればよかったーって思いました？』
そう返すAに、香田は真剣な表情になる。
『Aだって分かってたよ。』
『え？』
『最初に依頼に出向いた時、凌さんに、ボツになった他の写真も見せてもらったんだ。』
『それに、顔が写ってましたか。』
『いや、写ってなかったよ。』
『え…あ、チーフから聞いたんですね。』
『いいや、正体は秘密って言われた。』
『じゃあ、どうして…』
気付かれたことに驚きながらも、香田の真っ直ぐな視線に、Aは目を逸らした。
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あや(プロフ) - ありがとうございました。早速読みました。この先どうなるのかとっても気になります。楽しみに更新待っています。 (2018年3月24日 7時) (
レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - あやさん» あやさん、こんにちわ！4章のパスを外しました☆ぜひ、お話を楽しんでくださいね♪ (2018年3月23日 16時) (レス) id: 78e85aba12 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ありがとうございます。待っています。パスな外れる時をドキドキしながら。私も物語の中にダイブしたいです。 (2018年3月9日 19時) (レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - あやさん» あやさん、読んでくださりありがとうございます！思いやれる相手、いいですよね☆パスのついている４のお話は、いま下書き中になっています。準備ができましたら、公開しますね！もう少しお待ちいただけると嬉しいです☆ (2018年3月7日 12時) (レス) id: 78e85aba12 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 毎回楽しみに更新を待っています。この先が、ドキドキです。パスワード教えてください。私も相手のことを思い愛される人になりたい。自分をプレゼントいいなぁ〜 (2018年3月7日 7時) (レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2017年12月18日 1時
