ＢＭ×短編集【BOYSANDMEN】

ClearSnow×片思い×平松賢人 ページ42

「わぁ〜！雪だぁ！」






そう言って君は駆け出す。






「滑っても知らないよ！」





「わっ！」





目の前で滑って転びそうになる。





後先考えないからじゃん･･･






転びそうになったのに、また駆け出す。





僕はその背中を夢中で追いかけて走る。







しばらく走って、近くのベンチに座りながらココアを飲む。







肩に触れて溶けていく雪。





その雪を見ると、昔もこんな風にして2人でいたことを思い出す。







「ねぇ、覚えてる？昔もこんな風にベンチに座ってココア飲んでたよね。」






「あぁ、覚えてる！懐かしいね！」









そう言って笑った君の息も白くてなんだか嬉しくなる。









その笑った顔も、いきなり駆け出す姿も、昔の君と全く変わらない。






この時間がずっと続けばいいのに･･･







幻だっていいから時が止まってほしい。






そんな僕の願いは雪と一緒に溶けていく。








「もう、寒いし帰ろうか？」






「･･･そうだね。」







もっと一緒にいたかったなぁ。









「んじゃ、また明日ね！」





「うん！また明日！」









また明日、会えるのを楽しみにしておこう。

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