ＢＭ×短編集【BOYSANDMEN】

先輩×本性×小林豊 ページ17

youside







「「「きゃぁぁ！！！！」」」





今日も朝から全学年の女子の気高い声が校舎中に響き渡る。








「「「ゆーちゃむぅぅ！！！」」」







「はーい！ゆーちゃむでぇす！」









ゆーちゃむこと小林豊先輩。






よくやるよな。




みんなも、先輩も。







とか言いながらも、私も小林先輩の事が好き。







どんな時も笑顔でいる小林先輩を見て、私もそんな人になりたいって思ったんだ。








気にしてない振りをしながらも横目で先輩を見る。








･･･今日も目があった？









いつも目が合う気がする。








自惚れるのはよくないな。









「今日も可愛いなぁ･･･ゆーちゃむ先輩！」









大きな声で話しかけてくる友達。






うるさい。そんなのわかってる。









「はいはい。」





めんどくさい。









すると、








「Aは。好きじゃないの？」








そう聞かれて、咄嗟に、








「･･･好きじゃないよ」









って答えた。







答えた時、すごい心に罪悪感が残った。








嘘でも、『好きじゃない』は言いたくなかったな･･･







その日、1日は心がずっと痛かった。









その放課後･･･









「･･･げっ。雨降ってる」









外はバケツの水をひっくり返したような量の雨が降っている。









これは流石に走って帰れないなぁ･･･









「ねぇねぇ。」









ふいに、肩を叩かれて振り向くとそこには小林先輩がいた。









「･･･小林先輩？」








「一緒に･･･帰ろう？」









傘を顔の横に持ってきて言う先輩は凄く愛らしかった。









こんなに人に優しかったら人気になるのも無理ない。









先輩の言葉に甘えて一緒に帰らせて貰うことにした。









「「･･･」」









･･･気まずい。









「･･･もっとこっちよりなよ。」









そう言うと先輩は私の肩を抱きよせる。









顔が近いとかあんまり気にしないのか？この人は。









「小林先輩は優しいですよね。」





「ん？どういう事？」







先輩は首をコテンと傾げる。








「みんなからの黄色い歓声に笑顔で答えるじゃないですか。本当はもっとうざがってもいいぐらいですよ？笑」








ちょっと冗談で言った。






すると、凄い勢いで話し始めた。

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