ＢＭ×短編集【BOYSANDMEN】

約束×10年後×小林豊 ページ2

憶えてるのかな･･･A




と少し不安を抱えながらも、あの場所へ向かった。





行く途中に高校の時の同級生に出会った。




「よう！小林！」



「おう！」






と久しぶりに喋っていると、そいつが何かを思い出したかのように手を叩いた。





「あいつ帰ってるらしいぞ？」




「あいつ？」




「あいつだよ！あいつ！寺島A！」








･･･うそだろ？帰ってきてる？







もしかしたら･･･！






「悪ぃ。俺行かなきゃ。」



「ちょ、小林！？」







俺はそいつの話も聞かずに駆け出した。







特に運動が得意な訳でもないのに走り出す。




いつもは重い体も今日は少し軽く感じた。







「ﾊｧ･･･ﾊｧ･･･ﾊｧ」





まだ息も上がったまま、約束の場所を見る。




でも、誰もいなかった。





もしかしたら･･･！という考えは違ったか･･･と少し肩を落しながらあの場所へ向かう。




少し段差になっている所に腰をかける。




･･･なんか懐かしい



ここで昼メシ食ってたっけ？



初めて出会ったのもここだっけな。


1人で昼メシ食ってる時に出会ったな。





と少し目を瞑って考えた。





目を開け、ふと通って来た道を見ると走ってくる人がいる。






────Aだ。




前とは変わって髪の毛も伸びてるし、可愛いよりかは綺麗になった。






俺はそんな彼女を抱きとめて笑おう。

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