ＢＭ×短編集【BOYSANDMEN】

約束×10年後×小林豊 ページ1

『約束･･･な？』




『うん！約束！』



────君は憶えているだろうか







10年前に交わした約束を────







【10年前】


俺らはまだ高校生だった。




俺にはずっと好きな奴がいた。



名前は寺島A。



席が隣で仲も良かった。



でも、中々"好き"の二文字が言えなかった。



言ったら今の関係を潰しそうで怖かったから。




あいつは卒業したらアメリカに行くらしい。偶然にも友達と喋っている所を聞いてしまった。




それが余計に俺には負担だった。"好き"を言わないと後悔するだろう。



でも、言って断られて気まずくなったら？これから話す事が出来なくなったら？



臆病だった俺には言えなかった。




時は過ぎ、卒業式。



「小林くん。」


「ん？どうした？」


「私ね。ずっと小林くんのことが･･･」




とまで言って息詰まる。




「私･･･好きなの！小林くんのこと！」



「･･･え？」





まさかAから言ってくれるとは思ってもいなかった。





「私･･･アメリカ行くから、言えなかったらきっと後悔すると思って･･･！」



と頬に涙を伝わせながら必死に俺に伝えてくれた。








「･･･俺も好きだったよ。」



「え？」



「付き合ってくれますか？」





と言うとAは、でも･･･アメリカ行くから･･･と悲しそうに答える。




「じゃあ、約束してくれないか？10年後の今日。ここで会うこと。10年たって俺のこと忘れてたり、好きじゃなくなってたら来なくてもいいから。」







「約束･･･な？」


「うん！約束！」





と言って小指と小指を絡ませた。

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