シルバーさん。 ページ6
それから、櫻井さんは帰らぬ人となってしまった東さんを見ている。
すると、それを邪魔するかのように幹本さんが櫻井さんに話しかける。
「容疑者なんていないよ。なんせ、俺が犯人なんだから。超能力でそいつを殺 っちまったんだよ。」
ったく。うぜぇ奴やな。
櫻井さんが、調査してんの分からんか？アイツ。
でも櫻井さんは、幹本さんの言葉に目もくれず東さんの遺体を見ていた。
すると、何かに気付いたのか東さんが付けていたスカーフの裏を見て、東さんの首元を拭った。
櫻井さんは、悪戯少女のようにニヤリと口角を上げた。
「おい！大丈夫か？」
向こうから、別の現場での撮影だった研究生のドドンコメンバー(ドドンコDon’t worryを歌っている5人の事)を連れて社長がやって来た。
あれ？なんで陸人？
てか、奏がおらん･･･あぁ。そうか。今日は、奏は用事あるから今日はおらんかったっけ？
だから、陸人なんか。
1人で勝手に納得している俺を尻目に、他のメンバーは社長に返事を返す。
「まぁ、大丈夫ですけど･･･」
「勝が容疑者の1人で･･･」
「･･･何？それ言ったんどこのどいつや？」
豊の言葉を聞いた瞬間、社長の顔が一気に変わった。
･･･怖い怖い。
まぁ、そりゃそうやんな。
「田中さーん！田中さーん！ちょっとー！」
裏からやって来たのは、勝を容疑者の1人と言った張本人の櫻井さん。
制服のスカートを揺らしながら、こっちに向かって来た。
「田中さん！肩車して下さい！」
「え？なんで？」
「もう･･･いいから早く！」
研究生の目が点になっているのは、まぁ気にしないでおこう。
とりあえず、裏につれて行かれて肩車をさせられた。
「やっぱり･･･田中さん。ありがとうございました。」
「お、おう。」
俺の肩からストンッと降りると、皆がいる所に戻り、少し溜めてから口を開いた。
「皆さん。犯人が分かりました。」
今から、名探偵の推理ショーの始まりだ。
早く、勝の容疑が晴れて欲しいな。
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