シルバーさん。 ページ4
「これは、手先が器用で練習すれば誰にだって出来ます。
たとえ･･･超能力者なんかじゃなくても。」
「君がやっていたのはマジックじゃないか！俺のは本当に超能力なんだ！」
･･･俺たち、ここに来て良かったのか？
ふと横を見ると、勝は気まずそうに、豊は苦笑している。辻本は口が開いてるし、田村はアワアワしてる。
誠は、目が点になっている。
すると、そんな俺らを知らずに東さんが言葉を発した。
「確かにそうですよね･･･幹本さん。小さい頃に嘘は付いてはいけないと教わりませんでしたか？」
「俺は･･･嘘なんかついてない！」
「ほぉ･･･では、証明していただいましょう。その超能力とやらで私を殺 して見てください。」
東さんのその発言に会場はザワつく。
「本当にいいのか？後悔するぞ？」
「ふっ･･･後悔させてくださいよ！私にね！」
そう言うと、東さんは余裕そうに椅子に座った。
東さん、幹本さん以外のメンバーは元の席に戻った。
すると、幹本さんは念力を送るようなポーズをする。
余裕な表情を保っていた東さんだが、急に首に巻いてあるスカーフを掴みながら苦しみ出した。
「ぐぁぁ！･･･ぐっ、あぁぁぁ！」
「「「東さん！」」」
アシスタントの安西さん、東さんのマネージャーさん、ADさんそして、勝が東さんに駆け寄った。
それでも櫻井さんは冷えきった目で頬杖を付きなが東さんを見ている。
「おい！櫻井さん！いいのかよ！」
俺が櫻井さんの元へ行き、肩を掴む。
「･･･大丈夫ですよ。超能力で人を殺 せる訳なんか･･･」
ないですよ。と櫻井さんが言いかけた途端、東さんは心臓を抑え、反っくり返った。
そしてしばらくジタバタしていたかと思うと、パタンと動きを止めた。
「きゃぁぁぁ！」
安西さんの悲鳴により、それを見ていたお客さんは帰ろうと立ち上がった。
すると、櫻井さんが立ち上がって声を上げた。
「動くな！
とりあえず、カメラを止めろ！」
カメラさんがカメラを止めている途中、櫻井さんは東さんの首の脈の所に手を当てる。
「･･･ダメです。死 んでます。」
うそ･･･だろ？
櫻井さんの言葉でその場はザワつく。
「とりあえず、皆さん落ち着いて。そこから動かないでください。」
櫻井さんの冷静な声が、俺たちの耳にも入り、その場は静かになった。
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