番外篇 待っていた日に ページ15
「あんたも飽きないね」
「…別に良いじゃないですか」
たまに雨が降っていても十四郎さんに会えないことがある。
そんなときには、何故か同じ人と鉢合わせするのだ。
「こんな雨の中、好き好んで出掛けるなんざお宅らくらいだろ」
「雨は良いものですよ。少しばかりの過ちもすべて涙のように流してくれる」
「…あいつと会ってるのが、過ち?」
「…さあ、どうでしょう」
「ふっ。まあ、俺には関係ないことだが」
そんな会話をしていたら、
「おい、万事屋なんでここにいる?」
十四郎さんがやってきた。
よっぽど仲が悪いのか、会う度に喧嘩している。
「別に何もしてねぇよ。後は若いもん同士仲良くやれや」
「いいから、テメエは帰れ!」
「ヘーい。わかったよ」
万事屋さんはそれだけ言うと帰って行った。
「ふふふ」
「何笑ってんだ」
「いや、十四郎さんのあんな顔を見るのあの人と喧嘩してる時だけですもの」
「…あんま、他の奴と話しするなよ」
「…嫉妬ですか?」
「うるせえ」
顔を赤くして、十四郎さんは顔を背けた。
それが、悲しいくらいに私は嬉しいのだった。
*
「幸せに、な」
そんな様子を影から見守る、男が一人。
悲しい表情を浮かべながらも、心は穏やかなのだった。
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めええい(プロフ) - 土方美零さん» いえいえ...これからも応援しています。 (2018年11月17日 6時) (レス) id: 9f8295de08 (このIDを非表示/違反報告)
土方美零(プロフ) - めええいさん» めええいさん、教えていたたきありがとうございます。そういう意味で使ってはいないので、(最後は)修正させていただきます。本当にありがとうございました。 (2018年11月16日 16時) (レス) id: 4eef42f134 (このIDを非表示/違反報告)
めええい(プロフ) - 「雨音が響いていますね」は「愛していました」という意味なので、結ばれた時に使うべきではないと感じました。別で意図があるなら申し訳ないですが... (2018年11月16日 5時) (レス) id: 9f8295de08 (このIDを非表示/違反報告)
土方美零(プロフ) - kaikaiさん» KaiKaiさん、申し訳ありません。もう少しで公開する予定なのでしばらくお待ちください。 (2018年10月14日 9時) (レス) id: 4eef42f134 (このIDを非表示/違反報告)
kaikai - パスワード、わかりません、、、次作楽しみです。 (2018年10月14日 0時) (レス) id: 396b4cc1e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:土方美零 | 作成日時:2018年9月5日 16時