【名探偵コナン】モスコミュールⅡ (ページ1)

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安「お待ちしてました。あなたにこれを渡したくて。」

喫茶ポアロの前を通りかかったある日。安室透から呼び止められ、何やら紙袋を差し出された。

『…服？』

紙袋に入っていたのは真新しい洋服だった。

安「先日あなたの服を汚してしまったので。…お気に召しませんでしたか？であれば違う服を用意しますが」

『いえ！とっても可愛いです！でも、あれは私が勝手にしたことで…』

安「ええ、本当にそうです。ですが、借りを作るわけにはいきませんから」

どこまでそれを貫くんだ…。怪我したのは自分のほうなのに。

『では有難く頂戴します…。お怪我の方は大丈夫なんですか？』

安「お陰様で。貴方の適切な応急処置には部下も驚いていた」

ここで言う部下とは、公安の方の部下なんだろう。

貰った紙袋をまじまじと見る。

白い服。あの日私が着ていたものと似ていた。

(__盗聴器とかはさすがに付いてないよね？)

コナンくんじゃあるまいし。

安「…どれだけ僕が非道に見えているか知りませんが、盗聴器等は付けていないのでご安心を。」

『…何も言ってませんけど』

安「そういう顔をしていた」

表情に出しにくい方だと思っているが、この人の前では正直に顔に出てしまうみたいだ。

「あれー？！あむぴじゃん！もしかしてもう上がり？」

甲高い黄色い声。

声の主は女子高生の子たちだった。

もしかして安室透のファンの子？

いち店員にファンがつくものなんだ…と最近の女子高生の暇の持て余しっぷりに驚きつつこの胡散臭さ120%の男のどこがいいんだと安室透を見る。

『…顔だけ』

顔だけはかっこいい。

私の小声が聴こえていたのかキッとこちらを向く。

…地獄耳のようだ。

「てかすっごい美人さん！…まさかあむぴの彼女さん！？」

「え？！こんな綺麗な彼女いたの！？」

安室透の顔を観察していると、知らないうちに女子高生たちの注目がこちらに向いていた。

彼女？

『ち、違います』

私の否定を聞いて女子高生たちがなーんだ！と言う。

安「彼女ではなく、僕が勝手に片思いしてるだけなので。」

『えっ』

私の腰に手をやり、爽やかスマイルでそう言った安室透に女子高生たちも悲鳴とも言える声で応え、頑張ってね！とまで。

『余計な設定を作らなくても』

安「安室透に夢を見させないためにも、少しは牽制しておいた方がいいんだよ」

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