06:37 a.m. 寝顔に誓う our life ページ9
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北山を泣かせてしまった夜。
そのお詫びとして、数時間かけてじっくり…身体の隅から隅まで愛した。つい、熱が入ってしまって…夜を終えた時には、北山の声は少し掠れていて、申し訳なくなって抱きしめたらかわいく笑ってくれた。
そんな北山の汗をさっと拭いてやってパーカーを羽織るよう言えば、直後で暑かったのかパーカーを着るのを嫌がって、長袖の薄いTシャツのまま眠ってしまった。
仕方ないから低い温度で暖房と、あと加湿器をつけて俺も眠った。
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「…ん?」
朝起きると左腕が妙に重くて、寝ぼけながら左腕を触ろうとすると、ふんわりとした感触。何かと思えば、北山の頭が乗っていて…朝から愛おしさが込み上げて、ふぅっと長く息を吐いた。
起きた瞬間からだったから気が付かなかったけど、起きて数分、北山の頭を腕に乗せたままぼんやりしていると、いつもより体が温かいことに気が付いて。
「…あ」
北山が俺にぴったりくっついて寝ていることは少なくないけど、俺の体に手を回して抱きつくような形で朝を迎えることはまずない。…けど、今日はその珍しいケースだった。
なにこれ…ちょっと、愛おしすぎる、
「…あーマジ…ごめん、」
こんなに愛おしいのに、こんなに大切なのに、手放す事なんて考えて。よく考えていたつもりで、北山のためを思っていたつもりで…本当に「つもり」でしかなかった。
今度からはしっかりと二人で話し合おう。そう決めて、まだ夢の中にいる北山を抱きしめた。
「…ふあぁ……ふ…がや…」
「あーごめん起こしちゃったね、でもまだ時間たっぷりあるから寝てな?」
「ん…また起こ……て…」
優しく抱きしめたつもりだったけれど、俺が抱きしめた瞬間目を覚ましてしまった北山に謝りながら、抱きしめ直した。それからやさしく背中をぽんぽんと叩いて、もう一度寝かせた。
…きのう夜更かしさせちゃったからね、
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「……きたやま、好きだよ」
北山と想いが通じ合っている間は、何があっても北山の手を離さないし、俺が責任持って幸せにしていくよ。人との繋がりが多い北山は、誰か他の人の手を取る選択肢もあったはずなのに俺を選んでくれたから。
北山の残りの人生は 何があっても俺が大切に背負って、幸せにすると誓った、06:37 p.m.
〜 extra story 〜
fin.
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茉莉花(プロフ) - 充瑠さん» コメント、また、いつもお読み頂きありがとうございます。短編集ですね!かしこまりました、お気持ちを伝えてくださりありがとうございます…! (2018年3月12日 20時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉花(プロフ) - mさん» こんにちは、コメントありがとうございます。わっ…本当に思いつきで何気なく書いた作品が作者様の感性により、良いものに仕上げられているような、そんな感じがしています…素敵なコメント本当にありがとうございます。 (2018年3月9日 22時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉花(プロフ) - ゆうりんさん» はじめまして、私には勿体無いくらいのお言葉の数々…ありがとうございます。いつも書いている途中で悩んでしまう事があるのですが、こうしたお言葉を頂けると本当に嬉しいです…!また、シリーズ化も前向きに検討しておりますので待っていてください^^ (2018年3月5日 18時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいていますが、コメントは初めてです。茉莉花さんのお話、繊細で大好きです!どちらかというと短編がちょこちょこいろいろなお話を読めて好きなので、こちらのシリーズ化も楽しみにしています!! (2018年3月5日 1時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - タイムリー式にする事でフィクションがこんなにもノンフィクションに感じたられて、より身近に2人の生活感や雰囲気を味わうことが出来る事に感動しました!!このシリーズの短編もかなり気になります!!茉莉花さんの世界へまた是非連れてって下さい!! (2018年3月4日 16時) (レス) id: 2ca24312b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉莉花 | 作成日時:2018年2月14日 17時