等身大。〜藤北短編集〜

長所で短所。 ページ1

藤ヶ谷サイド









北「 ただいま 」





藤「 おかえり〜、お疲れ様 」





北「 さんきゅ 」









風呂沸いてるよ。





オレがそう言うと ふふって笑った後、
ありがとうと言って みつは風呂へ向かった。









最近忙しいらしく、帰りが遅いことが多い。









忙しいのは 有難い事だけど、
時には 悩みやストレスも増えてしまうわけで ･･･ 。









そんな時、みつは一人で抱え込んでしまうから
それが心配。









たまに 「 ただいま 」って笑う顔が
悲しんでいるようにしか見えない時がある。









その時 「 あ、何かあったんだな 」 って 思うけど
みつは自分の事より他人の事を気にするから
俺が声かけた事によって 気を使わせる事もある。









それは避けたくて 今まで見守ってきたけど ･･･









北「 太輔、上がったよ 」









今日は今までで一番悲しそうな顔してる。









もうそろそろ本当に心配だから
話 してみようかな。









藤「 みつ、ここおいで 」





北「 うん、どうかした？ 」





藤「 最近忙しそうだね。仕事どう？ 」





北「 順調だよ 」









.









順調だよ。






そう言った声は、とても弱々しかった。









みつの性格上、誰かに相談する事はないって
ずっと前から知ってたけど
一番近くにいるのに 話してくれないのは
少し寂しかった。

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